vol.63『メールが短い日——“5行ルール”で返信速度が3倍になった』

シリーズ①:Re:START NOTE|”止まりながら進む日々”

⏱ 読了目安:約3分

長いメールは内容ではなく、決断を遅らせる。

「5行で送ってください。——件名・要件・背景1行・期限・締め。」

元社長の受信箱は、毎朝100通以上。私は“読む側”として、長文になるほど後回しにしていた。そこで自分が“送る側”になったとき、思い切って全社ルールを5行に限定した。

結果、返信速度は体感で3倍。今日は、実際に使った5行フォーマットと、短くしても誤解が生まれないコツを置いていく。

“5行ルール”で意思決定までの距離を短くする

こんな人に読んでほしい

  • メールが長くなりがちで、返信が遅い/返ってこないと感じている人
  • SlackやChatでも要点がぼやけて議論がループしがちなチーム
  • 「短く、誤解なく、すぐ動く」コミュニケーション設計を身につけたい人

この記事で伝えたいこと

  • “読み手は決断したい”という視点を軸にした5行設計
  • 5行ルールの基本形とNG例(短いのに伝わらないを防ぐ)
  • 明日から使える件名テンプレと1分で直せる添削のコツ

1. 5行ルールとの出会いで変わったこと

社長時代の私は、「後でちゃんと返そう」と思った長文メールほど返せなかった。
送る側に回った私は、読み手の作業を“決断だけ”にすることを目的化。以下の5行に固定した。

  1. 件名:【誰に/何を/いつまで】がわかる(例:[法務確認] NDA改定の可否 9/25迄
  2. 要件:お願い/承認/回答のどれかを明記(1文)
  3. 背景1行:判断に必要な最小の事実のみ(数字 or 期限)
  4. 期限:日付と理由(“なぜ今”)
  5. 締め:選択肢A/B or 既読だけでも可、などハードルを下げる一言

これだけで、役員からの平均返信時間が半日→2時間台へ短縮された。

2. 比べないことが教えてくれたもの

長文で“配慮”を足すほど、読み手の判断は遠のく。比較すべきはマナーではなく、意思決定までの距離だ。
5行は冷たいのではなく、決めるための優しさ。誤解を避けるコツは3つ。

  • 数字で言う:「多い」ではなく「在庫差異3%
  • 主語を固定:「誰が」「何を」を省かない(例:営業部で対応
  • 選択肢を渡す:Yes/NoではなくA/B(例:A=今週/ B=来週

3. それでも前に進む理由(テンプレ&NG例つき)

基本テンプレ

件名:[依頼/承認/回答] 用件(対象) 期限
本文:
1 行目:お願い/承認/回答のいずれかを明記(結論)
2 行目:判断に必要な事実(数字/期日)
3 行目:理由(なぜ今/なぜこの順番)
4 行目:期限(YYYY/MM/DD HH:MM)
5 行目:選択肢A/B or “既読だけでもOK”

例:承認依頼(良い)

件名:[承認] LP文言B案で公開 9/25 12:00迄
1 公開案はB。クリック率がA比+18%(テスト3日)
2 今週中に広告入稿のため、今日中に決裁が必要
3 期限:9/25 12:00
4 どちらで進めますか? A=公開 / B=再テスト(1日延長)
5 既読だけでもOKです

NG例(悪い)

件名:ご相談
1 先日の会議の件でちょっと相談がありまして…
2 実は色々ありまして長くなるのですが…
3 できれば早めにご確認いただけると…
4 (結論なし)
5 (期限なし)

まとめ

  • 5行=読み手の作業を「決断だけ」にする設計
  • 数字・主語・選択肢で誤解を減らし、速度を上げる
  • “配慮の長文化”ではなく、“決断の短文化”へ

次回予告

vol.64『アポは朝だけ——“午前2枠ルール”で売上が伸びた』

次回は、元社長時代に導入した午前中しか初回アポを入れない運用。集中と再現性で商談化率がどう変わったのか、数字とスクリプトで解説します。

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