⏱ 読了目安:約3分
長いメールは内容ではなく、決断を遅らせる。
「5行で送ってください。——件名・要件・背景1行・期限・締め。」
元社長の受信箱は、毎朝100通以上。私は“読む側”として、長文になるほど後回しにしていた。そこで自分が“送る側”になったとき、思い切って全社ルールを5行に限定した。
結果、返信速度は体感で3倍。今日は、実際に使った5行フォーマットと、短くしても誤解が生まれないコツを置いていく。

こんな人に読んでほしい
- メールが長くなりがちで、返信が遅い/返ってこないと感じている人
- SlackやChatでも要点がぼやけて議論がループしがちなチーム
- 「短く、誤解なく、すぐ動く」コミュニケーション設計を身につけたい人
この記事で伝えたいこと
- “読み手は決断したい”という視点を軸にした5行設計
- 5行ルールの基本形とNG例(短いのに伝わらないを防ぐ)
- 明日から使える件名テンプレと1分で直せる添削のコツ
1. 5行ルールとの出会いで変わったこと
社長時代の私は、「後でちゃんと返そう」と思った長文メールほど返せなかった。
送る側に回った私は、読み手の作業を“決断だけ”にすることを目的化。以下の5行に固定した。
- 件名:【誰に/何を/いつまで】がわかる(例:
[法務確認] NDA改定の可否 9/25迄
) - 要件:お願い/承認/回答のどれかを明記(1文)
- 背景1行:判断に必要な最小の事実のみ(数字 or 期限)
- 期限:日付と理由(“なぜ今”)
- 締め:選択肢A/B or 既読だけでも可、などハードルを下げる一言
これだけで、役員からの平均返信時間が半日→2時間台へ短縮された。
2. 比べないことが教えてくれたもの
長文で“配慮”を足すほど、読み手の判断は遠のく。比較すべきはマナーではなく、意思決定までの距離だ。
5行は冷たいのではなく、決めるための優しさ。誤解を避けるコツは3つ。
- 数字で言う:「多い」ではなく「
在庫差異3%
」 - 主語を固定:「誰が」「何を」を省かない(例:
営業部で対応
) - 選択肢を渡す:Yes/NoではなくA/B(例:
A=今週/ B=来週
)
3. それでも前に進む理由(テンプレ&NG例つき)
基本テンプレ
件名:[依頼/承認/回答] 用件(対象) 期限
本文:
1 行目:お願い/承認/回答のいずれかを明記(結論)
2 行目:判断に必要な事実(数字/期日)
3 行目:理由(なぜ今/なぜこの順番)
4 行目:期限(YYYY/MM/DD HH:MM)
5 行目:選択肢A/B or “既読だけでもOK”
例:承認依頼(良い)
件名:[承認] LP文言B案で公開 9/25 12:00迄
1 公開案はB。クリック率がA比+18%(テスト3日)
2 今週中に広告入稿のため、今日中に決裁が必要
3 期限:9/25 12:00
4 どちらで進めますか? A=公開 / B=再テスト(1日延長)
5 既読だけでもOKです
NG例(悪い)
件名:ご相談
1 先日の会議の件でちょっと相談がありまして…
2 実は色々ありまして長くなるのですが…
3 できれば早めにご確認いただけると…
4 (結論なし)
5 (期限なし)
まとめ
- 5行=読み手の作業を「決断だけ」にする設計
- 数字・主語・選択肢で誤解を減らし、速度を上げる
- “配慮の長文化”ではなく、“決断の短文化”へ
次回予告
vol.64『アポは朝だけ——“午前2枠ルール”で売上が伸びた』
次回は、元社長時代に導入した午前中しか初回アポを入れない運用。集中と再現性で商談化率がどう変わったのか、数字とスクリプトで解説します。
おまけ・SNS連携
更新情報はX(旧Twitter)でも発信中!
@Okin_san_
元社長のリアル再出発ストーリーをお届けします