vol.64『アポは朝だけ——“午前2枠ルール”で売上が伸びた』

シリーズ①:Re:START NOTE|”止まりながら進む日々”

⏱ 読了目安:約3分

午前を守る会社は、午後を取り戻す。

「初回アポは、平日午前の2枠だけ。」——この一行が、月次を救った。

元社長として、私は「空いた時間にアポを入れる」運用で、日々の集中が崩れる恐ろしさを味わった。午後の細切れアポは、提案の精度もフォローの速度も落とす。

勇気を出して“午前2枠ルール”を敷いたら、商談化率が上がり、見積提出のリードタイムが短縮した。今日は、その具体運用とチームの抵抗を越えた手順を書き残す。

“午前2枠”で波を作り、午後は制作とフォローに集中

こんな人に読んでほしい

  • アポが散らばり、提案作成やフォローが常に後ろ倒しの経営者・営業責任者
  • 「忙しいのに売上が伸びない」状態から抜け出したいチーム
  • 時間の使い方を“戦略”として整えたい個人営業

この記事で伝えたいこと

  • 午前に初回アポを集約する“リズム設計”の視点
  • 午前2枠ルールの導入手順(社内外アナウンス文付き)
  • 数字が伸びるオペレーション:前日仕込み→当日アポ→午後制作の波

1. “午前2枠ルール”との出会いで変わったこと

以前の私は、来た依頼に合わせてどこでもアポを入れていた。結果、集中は分断され、午後の制作が夜に流れる悪循環。
そこで初回アポを「平日 9:30 と 11:00 の2枠」だけに固定。キャンセルは当日午後へスライド、それ以外は翌営業日の午前へ。

  • 前日16:00-17:00:翌朝2枠の仮説準備(1枚事例・質問5つ)
  • 当日午前:アポ2本(15〜30分)、その場で次の一手を決め切る
  • 当日午後:午前の2本だけをフォロー(見積・要件整理・議事要約)

この“波”に変えた月から、商談化率が上がり、見積提出は平均で翌営業日へ短縮。売上は追い込みではなく、リズムで積み上がるようになった。

2. 比べないことが教えてくれたもの

「お客様の都合最優先」が美徳に見えるが、再現性を壊すと結果が不安定になる。元社長として分かったのは、提供価値を最大化する“時間の設計”も約束の一部だということ。
だから私は、時間の制約を正直に伝えた。すると、むしろ「準備された短い良い打合せ」に喜ばれることが増えた。

3. それでも前に進む理由(導入アナウンスと台本)

社外アナウンス(メール署名に追記)
初回のお打合せは「平日 午前 9:30 / 11:00」のいずれかでお願いしています。短時間で価値の高いご提案準備のため、ご理解ください。

社内ルール(Slack固定)
#sales-ops初回アポ=午前2枠。午後は制作・フォロー専用。緊急は上長承認で午後に1枠まで。

当日の台本(冒頭30秒)
「本日は15分で“合う/合わない”を判定します。
議題は①現状数字②1枚事例③次アクション。合わなければここで終了します。」

まとめ

  • 初回アポは“午前2枠”に固定し、午後は制作とフォローで波を作る
  • 制約は不親切ではない。価値を最大化するための約束事
  • 前日仕込み→午前アポ→午後フォローのリズムで、再現性が売上を押し上げる

次回予告

vol.65『見積は2枚——“A/Bオファー”で値引きが消えた夜』

次回は、値引き交渉の前に終わらせる見積設計。A:最短成果 / B:コスト最小の2枚で、議論を「含む/含まない」へ変えた実例とテンプレを公開します。

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