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イスを片づけた瞬間、議論は結論になった。
「座るのは、決裁後にしよう。」——それだけで、会議が意思決定に変わった。
元社長の私は、1時間会議が“情報共有の会”で終わるたびに、現場の時間を奪っている自覚に刺された。そこで、アジェンダを3行に削り、全員立ったままの10分スタンドアップに切り替えた。
結果、決裁は3倍速。今日はその運用と台本、そしてチームの抵抗を越えたコツを書き残す。

こんな人に読んでほしい
- 会議が長いのに、決まらないことで消耗している経営者・責任者
- 定例が“情報共有の場”になり、現場が動かないと感じているチーム
- 短時間で合意と次アクションを確実に出したい人
この記事で伝えたいこと
- 会議は「共有」ではなく「合意の場」——立位×10分の設計思想
- 10分スタンドアップの運用(役割・アジェンダ・タイマー・台本)
- 明日から使える“壁1枚テンプレ”と抵抗を越える言い回し
1. スタンドアップ導入で何が変わったか
旧来の会議は、資料説明→質疑→宿題で1時間。決まらないまま時間だけが過ぎる。
私は会議室に入って最初にイスを隅へ。壁にA4を1枚貼るだけにした。
- 目的:今月の広告費配分を確定
- 決めること:A/Bどちらに何%、いつから
- 期限:今日の10:10
これで開始3分で論点がそろい、7分で配分と担当が確定。以降、同様の意思決定が1/3の時間で終わるようになった。
2. 比べないことが教えてくれたもの
他社の会議術を寄せ集めても、現場は動かない。元社長として学んだのは、会議は文化ではなく“設計”だということ。
私が固定したのは次の4つだけ。
- 役割:進行=1人/記録=壁写真のみ/決裁者=1人に限定
- アジェンダ:最大3項目。各項目に「結論の候補」を事前記載
- タイマー:10分固定(7分でベル、残り3分で結論)
- 資料:持ち込み禁止。必要なら数字を口頭→壁に“数字3つ”だけ
比べるのは形式ではなく、「会議が終わった瞬間、誰が何をいつまでに」が決まっているかだけだ。
3. それでも前に進む理由(台本&壁テンプレ)
冒頭30秒の台本
「本日の目的は意思決定です。アジェンダは3つ、10分で終えます。
結論候補はA/B/C。反対は“代案セット”のみ受けます。」
進行フロー(各項目3分)
- 結論候補の提示(A/B/Cを読み上げ)
- 事実のみ追加(1人1つ・主観禁止・数字歓迎)
- 決裁者が選択(A/B/C or 保留→不足データと期日を宣言)
壁1枚テンプレ(コピペして印刷)
【目的】_________________(10分で決めること)
【結論候補】A:__/B:__/C:__
【数字3つ】1)__ 2)__ 3)__
【決定】__(担当:__ 期限:__)
【保留(あれば)】不足データ:__ 期限:__ 担当:__
抵抗を越える一言
「立つのは効率のためじゃなく、結論だけを残すためです。座るのは、決めた後にしましょう。」
まとめ
- イスを片づけ、壁に“目的/結論候補/期限”の3行だけ
- 10分=7分議論+3分結論、数字は最大3つまで
- 保留は罪ではない。不足データ・期限・担当を宣言して次へ
次回予告
vol.72『ToDoをやめた日——“次の1通”だけでプロジェクトが進んだ』
次回は、巨大なタスク管理を捨て、「誰に、どの1通を、いつ送るか」で前進させた運用。迷いと停滞を断つ“1通駆動”の実装を公開します。
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