任せっぱなしが招いた迷走。
「任せる=口を出さない」が、最初の大失敗だった。
元社長の私は、抱え込みを反省して思いきって権限移譲をした。ところが、目的共有と途中確認を省き「信頼だから任せきる」と放置に近い状態へ。結果、仕様の解釈違い・優先順位のズレが重なり、やり直しと不信感を生んでしまった。
そこから学んだのは、任せるとは丸投げではなく“伴走設計”まで含めた仕事だということだった。

こんな人に読んでほしい
- 任せたのに結果が出ず、理由が分からず悩んでいるリーダー
- 「信頼=口出し禁止」と考え、放任になりがちな管理職
- チームの主体性を正しく育てたい経営者・プロジェクト責任者
この記事で伝えたいこと
- 任せることと放置の違い、失敗が生まれるメカニズム
- 主体性を育てる「伴走設計(目的・境界線・リズム)」
- 任せた後に芽生える自走を、仕組みに定着させるコツ
1. 任せた直後に起きた失敗
新規プロジェクトを丸ごとチームに委ねた。私は口を出さず、進捗報告も求めなかった。
ふたを開けると、顧客が最も重視するKPIの解釈がズレ、デザイン優先で機能が後回しに。納期直前で大幅な作り直し。
「任せたのに違う」と私が焦り、メンバーは「何も言われなかったのに」と戸惑う――典型的な放置の失敗だった。
2. 主体性を奪わない“伴走設計”へ
放置をやめ、次の3点を徹底した。
①目的:達成指標を一緒に文章化(例:受注率+●%/期末まで)。
②境界線:意思決定の範囲と上限(価格・スケジュール変更等)を明文化。
③リズム:15分のウィークリースタンドアップで進捗・障害・次の一手だけ共有。
口出しは「質問」で行い、答えはチームに委ねる。これで介入は最小、可視化は最大になった。
3. 芽生えた主体性と、手放す恐怖の越え方
伴走に変えて数週後、メンバーから自発的に仮説と数値が上がるように。小さな検証が回り、意思決定が現場で完結し始めた。
とはいえ、手放すのは怖い。そこで「失敗の責任は私、学びは全員で共有」を明文化。挑戦密度が上がり、結果もついてきた。
まとめ
- 任せる≠放置。目的・境界線・リズムまで設計して任せる
- 介入は「答え」ではなく「質問」で行い、判断は現場に返す
- 失敗の責任はリーダーが引き取り、学びは組織の資産にする
次回予告
vol.29『伴走しながら手放すタイミング』
どの瞬間に完全に任せ切るか――私が迷い、つまずき、それでも手を離せた基準と合図を具体例で語ります。
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