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「後で」と言った瞬間、相手の心は離れている。
「承知しました。後で確認して連絡します!」
元社長時代の俺は、この言葉を魔法の杖のように使っていた。とりあえずボールを持っておけば、その場は収まると思っていたからだ。だが、相手の目線が一瞬だけ下がり、微かな落胆の色が浮かんだことに気づいていなかった。
「後で」という言葉には、恐ろしく短い賞味期限がある。それが切れた瞬間、信頼は音を立てて腐り始める。

こんな人に読んでほしい
- 口癖のように「後でやります」と言ってしまう人
- 未着手のタスクリストを見て溜め息をついている人
- 「仕事が遅い」と評価されがちな人
この記事で伝えたいこと
- 「後で」の賞味期限は、あなたが思うよりずっと短い
- 信頼を失うのは「できなかった時」ではなく「待たせた時」
- 「完璧な回答」より「最速の一次レス」が誠意になる
1. 「後回し」が引き起こす未来の雪だるま
社長時代、俺のデスクは「後でやる」書類の山だった。一つひとつは些細な確認事項だ。しかし、それが積み重なると巨大なストレスの塊になる。「あれ、どうなったっけ?」という脳内のノイズが常に発生し、本来集中すべき重要な決断を鈍らせた。
そして最悪なのが、相手への影響だ。依頼した側は「まだかな」と待っている。1日、2日と経つにつれ、「忘れられているんじゃないか」「軽んじられているんじゃないか」という疑念が膨む。俺が「後で」と時間を稼いでいる間に、相手の信頼ゲージはゼロに向かって急速に減っていたのだ。
2. 信頼が腐る前に「一手」だけ打て
今の俺が鉄則にしていることがある。**「ボールを自分のコートに置かない」**ことだ。
完璧な回答をしようとして抱え込むから遅くなる。例えば、調査が必要な依頼が来たら、「後でやります」ではなく、その場で「確認します。明日〇時までに回答します」と即レスする。これだけで相手は「認知された」「期限が切られた」と安心する。
5分で終わるタスクなら、その場で片付ける。終わらないなら「いつ着手するか」だけ先に伝える。「後で」を「今、一手打つ」に変えるだけで、信頼の腐敗は止まる。
3. スピードは能力じゃない、「姿勢」だ
「仕事が速い人」は、特殊能力を持っているわけじゃない。ただ、相手を待たせることの恐怖を知っているだけだ。
ビジネスにおいて、スピードは最強の誠意だ。拙速でもいい、まずは反応する。その積み重ねが、「あいつに頼めば何とかしてくれる」という強固な信頼ブランドを作っていく。もう、未来の自分に借金を背負わせるのはやめよう。
まとめ
- 「後で」の賞味期限は極めて短く、切れると信頼が腐る
- タスクを抱え込まず、まずは「着手予定」だけでも即レスせよ
- 相手を待たせないスピードこそが、最高の誠意である
次回予告
vol.186『“完璧主義”という名の逃げ場所——60点で出す勇気』
次回は、スピードを殺す最大の敵「完璧主義」について。元社長時代、細部にこだわりすぎて全体を遅らせた失敗談。「雑でも出す」ことが、なぜプロの仕事なのかを書きます。
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