vol.189『“やらないこと”を決める勇気——成果を出すための引き算の思考法』

シリーズ①:Re:START NOTE|”止まりながら進む日々”

⏱ 読了目安:約3分

「全部やる」は、「何も成し遂げない」の同義語だった。

「チャンスは逃すな」「全方位で網を張れ」——そんな言葉を信じて、俺は自滅した。

元社長時代、舞い込む案件、新しい事業の種、部下からの提案……すべてに「Yes」と言い続けていた。それが経営者の器だと思っていたからだ。だが、現実はリソースの分散。どれもが中途半端になり、結局、俺の手元には「疲弊」という名の二文字しか残らなかった。

休息の次に見つけたのは、何かを足すことではなく、徹底的に「捨てる」という勇気だった。

「引き算」の先にしか、突き抜けた結果は見えてこない。

こんな人に読んでほしい

  • 「忙しいのに成果が出ない」と虚しさを感じている人
  • NOと言えずに、他人の期待に振り回されて消耗している人
  • 本当に集中すべき「本質」を見極めたいリーダー

この記事で伝えたいこと

  • 「優秀さ」とは、やらないことを決める能力である
  • リソース(時間・金・精神)を一点突破に使う重要性
  • 「捨てる恐怖」を乗り越えた先に待っている圧倒的な軽やかさ

1. 欲張りすぎて自滅した「全方位営業」の罠

社長時代の俺は、とにかく強欲だった。「あの業界も攻めたい」「このニーズも拾いたい」。営業マン時代に培った「NOと言わない」精神が、経営者になって裏目に出たんだ。現場は混乱し、俺自身のスケジュールも15分刻み。常に何かを考えているようで、実は何ひとつ深く思考できていなかった。

「機会損失」を恐れるあまり、最大のリスクである「エネルギーの枯渇」を招いていた。あの時の俺に言ってやりたい。「お前が守っているそのガラクタ、全部捨てても会社は潰れないぞ」とな。

2. 「何をやめるか」が最速の近道だと気づいた日

再出発を決めた今、俺が最初にしたのは「Not-to-doリスト(やらないことリスト)」の作成だ。交流会には行かない、興味のない案件は即断る、SNSの通知は切る。そうやって周囲を「遮断」して初めて、自分が本当にやりたいこと、やるべきことが輪郭を持って現れた。

引き算の思考法は、ただの整理術じゃない。自分の人生の「主導権」を取り戻すための儀式だ。100のことを1ずつ進めるより、1のことを100進める。このシンプルで残酷な真理に、俺はようやく向き合えるようになった。

3. それでも前に進む理由

「これを捨てたら、もう後がないかもしれない」という恐怖は、今でも時々顔を出す。けれど、あの時すべてを抱え込んで壊れた過去が、俺に教えてくれる。「重すぎる荷物は、歩みを止めるだけだ」と。

今は、身軽だ。本当に大切な一歩にだけ、すべての体重を乗せて踏み出せる。不安はある。でも、その不安は「迷い」からくるものではなく、一極集中した「覚悟」からくるものだ。

まとめ

  • 「チャンス」の8割は、今の自分には不要なノイズである
  • 「捨てる」ことは「失う」ことではなく、「選ぶ」ことだ
  • 引き算をした空白にこそ、新しい、そして本物の活力が宿る

次回予告

vol.190『“自分を信じる”という最後にして最大の難問——根拠なき自信の作り方』

次回は、どん底から這い上がるために不可欠な「自己信頼」について。すべてを失った時、最後に残ったのは自分だけだった。何の保証もない中で、どうやって再び自分を「信じる」ことができたのか。魂の再起プロセスについて書きます。

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