vol.103『“テーブルで決める”——その場決裁の段取り術』

シリーズ①:Re:START NOTE|”止まりながら進む日々”

⏱ 読了目安:約3分

決裁は“資料の質”より、“場の設計”で決まる。

その場で決まる商談には、必ず段取りがある。

元社長の頃、内容は勝っているのに決まらない会議が続いた。原因は資料ではなく、席順・配布順・発言順の設計不足だった。

「テーブルで決める」を基準に段取りを組み替えた日から、3分即決が増えた。

席順・配布順・発言順を先回り設計し、その場決裁に導くシーン

こんな人に読んでほしい

  • 毎回「社内で検討します」で終わる商談に悩んでいる人
  • 良い提案なのに、会議のたびに決裁が先延ばしになる担当者
  • 小規模事業で“その場決裁率”を上げたい経営者

この記事で伝えたいこと

  • “場の設計”=席順・配布順・発言順で決裁は早くなるという視点
  • 「要点1枚+根拠1枚+チェック欄」の三点セット運用
  • 明日から使える当日の段取りチェックリスト

1. 「テーブルで決める」段取りに変えて起きたこと

以前の僕は、資料の説得力で押し切ろうとしていた。だが会議は“場のゲーム”。
席順・配布順・発言順を設計したら、同じ提案でもスムーズに通った。実際の手順はこうだ——

[席順]  決裁者の視線三角を作る:あなた⇄決裁者⇄推進役(現場責任者)
[配布順] 要点1枚 → チェック欄つき根拠1枚 → 稟議フォーマット(記名欄あり)
[発言順] 担当(結論→条件→価値→次の一手)→ 決裁者指名の一言
          → 反対派の懸念を“3行”で受ける → 決裁者にチェック欄の丸だし

ここで効いたのは、配布物が「丸をつける台本」になっていること。
会議は説明の場ではなく、意思決定の場だと徹底した。

2. 比べない段取り——“うち流”の三点固定

他社の華やかな演出は真似しない。小規模現場は薄く・速く・確実が正義。
守るのは次の三点固定だけ。

① 席順:決裁者の正面に“要点1枚”を置ける位置を確保(スクリーン不要)
② 配布順:要点1枚 → 根拠1枚 → 稟議テンプレ(記名押印欄/日付/有効期限)
③ 発言順:結論先出し(15秒)→ 条件1行×5 → 価値1行×3 → 次の一手(チェック)

追加のコツ:
タイマー3分を机の上に置く(可視化で脱“長話”)。
・ペンは太めの油性、色は青=達成/赤=アラートだけ。
・反対は「懸念→事実→一手」3行カードで即処理(詳細はURLに逃がす)。
・締めは日付と次アクション欄に記入→その場でスマホ撮影→共有。

3. 明日から使える“その場決裁”チェックリスト

T-24h:参加者の座席想定/推進役の合図(うなずき)を事前依頼。
T-3h:要点1枚・根拠1枚・稟議テンプレを30部印刷、ホチキス1回。
T-10m:席に資料を裏向きで配置、タイマーと太ペンを中央に。
本番3分

00:00-00:15  結論読み上げ(要点1枚の見出し)
00:15-01:30  条件→価値→次の一手(チェック欄を指差し)
01:30-02:15  懸念3行対応(必要なカードのみ)
02:15-03:00  稟議テンプレへ記名・日付・次アクションを記入→撮影→共有

目的は説得ではなく、「押しやすい場」を先に作ること。
これだけで、会議の出口が“検討します”から“やりましょう”に変わる。

まとめ

  • 決裁は“場の設計”(席順・配布順・発言順)で速くなる
  • 要点1枚+根拠1枚+チェック欄=その場で丸がつく台本
  • 時間は3分、反対は3行、証跡は写真——軽い運用が最速

次回予告

vol.104『“奥の上司”対策——見えない決裁者に届く一枚』

次回は、会議に不在の“奥の上司”を動かす裏の一枚。要点の言い換えと印鑑ラインの作り方をまとめます。

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