レビューはした“つもり”だった。
報告は受けていた。確認もしていた。だが成果はズレていた。
元社長の私は「レビュー」を「進捗報告の場」と勘違いしていた。表面的な数字や進行状況を追うだけで、背景の判断基準や意思のすり合わせを怠った。その結果、完成物は期待から外れ、修正コストと不信感が膨らんだ。
この記事では、“レビュー不全”がもたらした失敗と、その後の修正プロセスを率直に語る。

こんな人に読んでほしい
- 「レビューしているのに成果が合わない」と悩むリーダー
- 進捗報告と本質的なレビューの違いに迷う人
- 修正が後手になりチームが疲弊しているマネジメント層
この記事で伝えたいこと
- レビュー不全が起こる典型パターン
- 「確認」ではなく「すり合わせ」が必要な理由
- ズレを修正するための具体的な対話と仕組み
1. レビューを“進捗確認”に矮小化した失敗
私は週次の報告会をレビューと呼んでいた。だが実際は「予定通り進んでいますか?」「数字はどうですか?」と表面をなぞるだけ。
その裏にある「なぜそう判断したのか」「基準は何か」を聞かなかった。結果、方向性のズレに気づいたのは納品直前。修正は間に合わず、チームの疲労感はピークに達した。
2. ズレを修正するために必要だった対話
修正に着手したのは遅かったが、学びは大きかった。
①判断基準の共有:「この案件は“速度優先”か“品質優先”か」を毎回確認。
②意図の言語化:各メンバーに「なぜそう判断したか」を語ってもらい、基準を揃える。
③小さな試作品レビュー:完成物ではなく、途中の“荒い段階”で実物を見せてもらい議論する。
この3つを導入しただけで、修正のタイミングが早まり、成果の精度も上がった。
3. レビューは“すり合わせ”である
レビューとは進捗を聞くことではなく、認識のズレを早期に発見し、すり合わせる場だと痛感した。
「やってます」「進んでます」という言葉に安心するのではなく、意思決定の根拠や優先順位を丁寧に掘り下げる。
それは面倒に思えるが、後で大きく修正するよりはるかにコストが低い。
何より、メンバーは「自分の判断が尊重されている」と感じ、信頼が回復していった。
まとめ
- レビューを「進捗報告」に矮小化すると成果は必ずズレる
- 基準の共有・意図の言語化・試作品レビューが鍵
- レビューは“確認”ではなく“すり合わせ”の場である
次回予告
vol.36『数字だけを追った日——KPI依存が生んだ落とし穴』
次回は、KPIばかりに目を向け、人の声を見失った失敗談を語ります。数字に振り回された経営判断、そのリアルな結末とは──。
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