「値上げ」は逃げ道ではなく、覚悟の宣言だった。
値上げを伝えた瞬間、顧客の一部は離れた。
長年築いてきた関係も、「価格が合わない」という理由で途切れた。
その喪失感は大きかったが、同時に「本当に自社を信じてくれる顧客」と「価格だけを見ている顧客」が浮き彫りになった瞬間でもあった。
値上げは信頼を試す試金石。そこからが、本当のブランド再構築の始まりだった。

こんな人に読んでほしい
- 値上げを検討している経営者・営業責任者
- 顧客離れのリスクに悩んでいる人
- 価格とブランドの関係に課題を感じている人
この記事で伝えたいこと
- 値上げが「価格調整」以上に持つ意味
- 離れる顧客と残る顧客の違いから見えた教訓
- ブランドを再構築するための実践的な視点
1. 値上げを伝えた瞬間の空気
値上げの告知をしたとき、最初に返ってきたのは沈黙だった。
中には「今までありがとう」と去っていく顧客もいた。
経営者として心が折れそうになったが、「この値段で継続してくれる顧客こそ、自社の未来を共に歩む存在」だと気づかされた。
2. 顧客離れとブランド再構築
値上げ後、確かに売上は一時的に落ちた。
しかし残った顧客は、「値段ではなく価値を見ている層」だった。
その顧客に向けてサービスの質をさらに磨き、提供内容を明文化し直した。
「高くても、この会社と付き合いたい」と言われることが増えたのは、その先のご褒美だった。
3. 値上げが教えてくれた覚悟
値上げは単なる数字の操作ではなく、経営者としての覚悟を問うものだった。
「安さで選ばれる会社」から「価値で選ばれる会社」へ。
失敗や離反もあったが、それを乗り越えて得た顧客こそ、会社の基盤を支える存在になった。
まとめ
- 値上げは信頼を試す瞬間である
- 離れる顧客と残る顧客の違いを見極めることが重要
- ブランド再構築は「覚悟ある選択」から始まる
次回予告
vol.41『人が辞めた日——組織の穴と再スタートの現実』
次回は、社員の離職をきっかけに直面した“組織の脆さ”と、それをどう受け止め、立て直しの一歩を踏み出したかを語ります。
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