vol.61『資料はいらない日——“ホワイトボード15分”で合意を取った朝』

シリーズ①:Re:START NOTE|”止まりながら進む日々”

⏱ 読了目安:約3分

スライドを閉じた瞬間、会議は動き出した。

「今日は資料、ありません。——ホワイトボードだけで決めます。」

元社長として痛感したのは、資料が増えるほど論点が増え、決裁は遠のくということ。だからある朝、私はスライドを閉じて、ホワイトボードにたった3行を書いた。

「目的」「選択肢A/B」「決める基準」。その15分で、3週間止まっていた案件が動いた。今日は、そのやり方と台本を残す。

“目的/A or B/基準”の3行で合意をつくる

こんな人に読んでほしい

  • 資料は丁寧に作るのに、会議が前に進まないリーダー・経営者
  • 論点が散らばり、決めるべきことが最後まで曖昧になりがちなチーム
  • 「時間を短く、納得は深く」を実現したい人

この記事で伝えたいこと

  • 合意形成は「情報量」ではなく「基準の明文化」で進むという視点
  • ホワイトボード15分の進め方(3行→5ステップ)
  • 明日から使える“冒頭30秒/締め60秒”の台本

1. スライドをやめた日、何が変わったか

私がスライドを閉じた理由はシンプル。意思決定に必要なのは「比較の基準」と「いま選ぶ勇気」で、余分な情報ではないからだ。
その朝、ボードに書いたのは次の3行だけ。

  • 目的:来月のリード獲得を前月比+30%に戻す
  • 選択肢:A=セミナー集中/B=広告再配分
  • 基準(3つ):KPI達成確率/初期コスト/リスク許容

以降の会話は、基準→事実→結論の順だけで進む。説明のためのスライドは消え、意思決定のための対話だけが残った。

2. 比べないことが教えてくれたもの

競合事例や細かなデータを持ち込むほど、議題は「もっと情報を」に傾く。元社長の私は、「十分な根拠」より「合意できる基準」を先に作るほうが、結果として早く良い判断になると学んだ。
比較はA/Bの2択に限定、基準は3つまで。足りないデータは“実行しながら”取りに行く。

3. それでも前に進む理由(当日の台本つき)

冒頭30秒(司会)
「本日は資料なしで進めます。ホワイトボードにある目的・A/B・基準3つだけで結論を出します。
合意できない場合は、不足データと期日を宣言してクローズします。」

進行の5ステップ(各3分)

  1. 目的の再確認(修正があれば今ここで)
  2. A/Bの事実列挙(1人1つまで・主観禁止)
  3. 基準ごとの評価(○/△/×で即記入)
  4. 結論案の提示(AかB、理由は基準の語で)
  5. タスクと期限の確定(2名・日付入りで板書)

締めの60秒
「結論はA:セミナー集中。理由はKPI達成確率と初期コストのバランス。
資料作成は不要。必要なのは、実行後の結果をボードに追記すること
担当:集客導線=中山(9/25)、講師調整=岡田(9/27)。これで本件はクローズします。」

まとめ

  • 資料がなくても、基準3つがあれば合意は作れる
  • A/Bの2択に絞り、事実→評価→結論の順だけで進める
  • 保留は“不足データ+期日”を板書して次へ進む

次回予告

vol.62『議事録をやめた日——“ボード写真”だけで責任が動き出した』

次回は、議事録を短縮し、ホワイトボードの写真+一行タスクだけで実行速度を上げた運用を公開します。形より前進——その具体策を詳しく。

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