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“無料”は軽く、“有料”は本気を連れてくる。
「トライアルは無料で」——やめたその月から、離脱が止まった。
元社長の私は、無料ほど“決めない理由”が増える現場を見てきた。痛みのない試しは、意思決定のないまま終わる。そこで導入したのが、有料・軽量・即実感の2週間。範囲を極小化し、数値で手応えを可視化した。
契約前にお金をいただくのは怖い。けれど、成果と次の一手が同時に見える設計にしたら、むしろ安心して契約が決まった。

こんな人に読んでほしい
- 無料トライアル後に「検討します」で終わりがちな営業・経営者
- 導入前の期待値だけが膨らみ、現場での実感が伴わないと感じている人
- 短期で“効果の手応え”と“契約の確度”を同時に上げたいチーム
この記事で伝えたいこと
- 有料トライアルは“収益”ではなく“合意装置”であるという視点
- 2週間設計の型(範囲・KPI・リスク・退出条件・料金)
- 明日から使える案内文とキックオフ台本
1. “有料・軽量・即実感”との出会いで変わったこと
無料のときは、範囲が広がり、ゴールがぼやけ、終了後に「持ち帰ります」で終わった。
そこで私は、2週間/対象1部署/KPI1つ/作業は当社主導に固定。料金は定額◯万円、本契約時に全額充当とした。
- 範囲:1つの業務・1つの導線のみ(例:LP→問い合わせ)
- KPI:一次応答時間、CVR、在庫差異など“1つだけ”
- 成果物:ビフォー/アフター1枚+次の一手のロードマップ
- 料金:◯万円(契約時に全額充当/非契約でも返金なし)
- 退出条件:閾値未達なら契約しない/改善案の引き継ぎで終了
結果、トライアル→本契約の転換率が上がり、離脱は“合意の上の不一致”に。関係はむしろ良く続いた。
2. 比べないことが教えてくれたもの
“他社は無料”と比べ始めると、議論は単価へ流れる。元社長の私が判断していたのは、短期で再現可能かどうかだけ。
だから提供側の私は、無料ではなく“判断コストを下げる設計”を提示する。具体的には次の3点だ。
- 基準の固定:KPI/期限/閾値を先に紙で合意(サイン or スタンプ)
- リスクの明示:未達時の退出条件を明文化(責めない/引き継ぐ)
- 時間割:初日15分/7日目15分/14日目15分の三点ミーティングのみ
これで“無料だから様子見”が消え、短期で決める空気が生まれる。
3. それでも前に進む理由(案内文&キックオフ台本)
案内文(メール/5行)
件名:[2週間お試し] KPI◯◯の再現検証について(全額充当)
1 2週間で「◯◯のKPI」を検証します(範囲=◯◯導線のみ)
2 閾値は◯◯、未達ならご契約なし(退出条件を明記)
3 料金は◯万円。本契約時に全額充当します
4 ミーティングは初日/7日目/14日目の各15分のみ
5 実施可否をご判断ください:A=今週開始 / B=来週開始
キックオフ台本(冒頭30秒)
「本プランは“有料=本気の検証”です。
目的は2週間で再現可否を判定すること。
KPI/範囲/退出条件はこの紙の通り。未達なら契約しません。」
まとめ
- 無料は“様子見”を招く。有料・軽量・即実感で本気の検証に変える
- KPI・範囲・退出条件・料金充当を紙で先に合意
- 2週間=判断の装置。合うなら契約、合わないなら綺麗に終了
次回予告
vol.67『導入初日の15分——“レッドリスト運用”で炎上を未然に消した』
次回は、契約直後に発生しがちな初期トラブルをレッドリストで先回りした話。
“見える不安”を15分で潰す初日オペと、社内外の台本を公開します。
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