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10件のToDoより、1通のメールがプロジェクトを動かす。
「今日は“誰に、どの1通を、いつ送るか”だけ決める。」
元社長の私は、完璧なタスクリストで自分を追い詰め、結局は誰にも働きかけない日を量産していた。数字が動くのはいつも、「要の一人にメールした日」だった。
そこでToDoを捨て、“Next One Email”運用へ。今日の1通が出れば、明日の10通はいらない——そう腹を決めたら、案件が前に転がり出した。

こんな人に読んでほしい
- ToDoは消えるのに、プロジェクトは前に進まないと感じている経営者・責任者
- 優先順位に迷い、着手が遅れる/メールが重くなる人
- 小さく確実に案件を動かす“実務の核”を作りたいチーム
この記事で伝えたいこと
- 「次の1通」に集約する視点(相手=レバー、文面=レール)
- Next One Emailの型(誰に/何を/いつ/ゴール)と5行テンプレ
- 明日から使える1日の運用:朝3分の選定→午前送信→午後フォロー
1. “次の1通”との出会いで変わったこと
以前は「要件定義」「企画作成」「見積」…とToDoを細分化。進捗バーは埋まるのに、相手が動かない。
視点を変え、案件は“相手が決めた瞬間だけ進む”と定義。だからやることは次の1通だけ。
- 誰に:最小人数(決裁者 or 実務の鍵を握る人)
- 何を:合意したい1点(A/B選択・期日・承認)
- いつ:午前2枠のどちらかで送信(9:30 / 11:00)
- ゴール:“返信が来たら次の1通が自動で決まる”設計にする
この運用に切り替えた月、停滞案件の再開率が+42%、決裁までの平均日数が短縮(社内SaaS導入案件で9.8日→6.1日)。数字より体感で、毎日ひとつ確実に進む安心が戻った。
2. 比べないことが教えてくれたもの
有名なタスク術を並べても、現場は動かない。元社長として分かったのは、案件は“人の首一本”で動くという現実。
だからToDoではなく、レバー(相手)とレール(次の一手)だけを設計する。
- レバーの見つけ方:「この1通で誰の仕事が始まるか?」で相手を特定
- レールの敷き方:返信をA/B/Cの
選択式
にして、次の1通が自明になるように - 長文禁止:5行テンプレで決断の邪魔をしない
3. それでも前に進む理由(テンプレ&1日の運用)
“次の1通”5行テンプレ(コピペ可)
件名:[合意依頼] ◯◯のA/B選択(本日12:00迄)
1 結論:◯◯の件、A/Bいずれかで進めたいです
2 背景:数値△△のため(例:CVR+18%/在庫差異3%)
3 期限:本日12:00(理由:広告入稿13:00)
4 選択:A=__/B=__(C=保留→明日10:00再判定)
5 既読だけでもOKです
1日の運用(所要:合計15分)
- 朝3分:全案件から“相手1人×1通”を選ぶ(最大3件まで)
- 午前2枠で送信:9:30と11:00。どちらかに詰める
- 午後10分:返信A/B/Cに沿って次の1通を予約 or 実行
迷ったら、「今この1通が出れば、明日の会議は要らなくなるか?」で判断する。要らなくなるなら即送信だ。
まとめ
- ToDoを増やさず、“誰に・何を・いつ”の1通に集約する
- 選択式の5行テンプレで、相手の決断を早く・軽く
- 朝に選び、午前に送る。毎日ひとつ確実に前進させる
次回予告
vol.73『締切は時間じゃない——“Readyの定義”で遅延が消えた』
次回は、締切の誤解を断ち切った運用。「いつまで」より「何が揃えば着手できるか」を明文化し、停滞をゼロにした“Ready定義”の作り方とテンプレを公開します。
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