vol.72『ToDoをやめた日——“次の1通”だけでプロジェクトが進んだ』

シリーズ①:Re:START NOTE|”止まりながら進む日々”

⏱ 読了目安:約3分

10件のToDoより、1通のメールがプロジェクトを動かす。

「今日は“誰に、どの1通を、いつ送るか”だけ決める。」

元社長の私は、完璧なタスクリストで自分を追い詰め、結局は誰にも働きかけない日を量産していた。数字が動くのはいつも、「要の一人にメールした日」だった。

そこでToDoを捨て、“Next One Email”運用へ。今日の1通が出れば、明日の10通はいらない——そう腹を決めたら、案件が前に転がり出した。

“誰に・何を・いつ”の3点だけを可視化する

こんな人に読んでほしい

  • ToDoは消えるのに、プロジェクトは前に進まないと感じている経営者・責任者
  • 優先順位に迷い、着手が遅れる/メールが重くなる人
  • 小さく確実に案件を動かす“実務の核”を作りたいチーム

この記事で伝えたいこと

  • 「次の1通」に集約する視点(相手=レバー、文面=レール)
  • Next One Emailの型(誰に/何を/いつ/ゴール)と5行テンプレ
  • 明日から使える1日の運用:朝3分の選定→午前送信→午後フォロー

1. “次の1通”との出会いで変わったこと

以前は「要件定義」「企画作成」「見積」…とToDoを細分化。進捗バーは埋まるのに、相手が動かない
視点を変え、案件は“相手が決めた瞬間だけ進む”と定義。だからやることは次の1通だけ。

  • 誰に:最小人数(決裁者 or 実務の鍵を握る人)
  • 何を:合意したい1点(A/B選択・期日・承認)
  • いつ:午前2枠のどちらかで送信(9:30 / 11:00)
  • ゴール:“返信が来たら次の1通が自動で決まる”設計にする

この運用に切り替えた月、停滞案件の再開率が+42%、決裁までの平均日数が短縮(社内SaaS導入案件で9.8日→6.1日)。数字より体感で、毎日ひとつ確実に進む安心が戻った。

2. 比べないことが教えてくれたもの

有名なタスク術を並べても、現場は動かない。元社長として分かったのは、案件は“人の首一本”で動くという現実。
だからToDoではなく、レバー(相手)レール(次の一手)だけを設計する。

  • レバーの見つけ方:「この1通で誰の仕事が始まるか?」で相手を特定
  • レールの敷き方:返信をA/B/Cの選択式にして、次の1通が自明になるように
  • 長文禁止:5行テンプレで決断の邪魔をしない

3. それでも前に進む理由(テンプレ&1日の運用)

“次の1通”5行テンプレ(コピペ可)

件名:[合意依頼] ◯◯のA/B選択(本日12:00迄)
1 結論:◯◯の件、A/Bいずれかで進めたいです
2 背景:数値△△のため(例:CVR+18%/在庫差異3%)
3 期限:本日12:00(理由:広告入稿13:00)
4 選択:A=__/B=__(C=保留→明日10:00再判定)
5 既読だけでもOKです

1日の運用(所要:合計15分)

  • 朝3分:全案件から“相手1人×1通”を選ぶ(最大3件まで)
  • 午前2枠で送信:9:30と11:00。どちらかに詰める
  • 午後10分:返信A/B/Cに沿って次の1通を予約 or 実行

迷ったら、「今この1通が出れば、明日の会議は要らなくなるか?」で判断する。要らなくなるなら即送信だ。

まとめ

  • ToDoを増やさず、“誰に・何を・いつ”の1通に集約する
  • 選択式の5行テンプレで、相手の決断を早く・軽く
  • 朝に選び、午前に送る。毎日ひとつ確実に前進させる

次回予告

vol.73『締切は時間じゃない——“Readyの定義”で遅延が消えた』

次回は、締切の誤解を断ち切った運用。「いつまで」より「何が揃えば着手できるか」を明文化し、停滞をゼロにした“Ready定義”の作り方とテンプレを公開します。

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