vol.74『レビューは“5分×毎日”——粗いまま出す勇気が品質を上げた』

シリーズ①:Re:START NOTE|”止まりながら進む日々”

⏱ 読了目安:約3分

完璧を待つ1週間より、粗い5分を毎日。

「まだ見せられない」——この一言が、納期も品質も壊していた。

元社長の私は、週一の“盛大なレビュー会”で現場を追い込んできた。だが本当に効いたのは、粗いまま5分で出す、毎日の小さな往復だった。

以降、手戻りは薄く、歩留まりは上がり、完成は“近づく”のではなく“立ち上がる”ようになった。

毎日の“粗出し→即フィードバック”でプロトタイプが立ち上がる

こんな人に読んでほしい

  • レビュー会のたびに大幅手戻りが発生して疲弊している経営者・責任者
  • 「もう少し整えてから…」で初稿が遅れがちなチーム
  • 短サイクルで品質とスピードを両立させたいプロジェクトマネージャー

この記事で伝えたいこと

  • 「粗いまま出す」ための安全設計(期待値の固定と範囲の限定)
  • 5分×毎日の運用フォーマット(サンプル・台本・ログ化)
  • 明日から使える“レビュー依頼テンプレ”と“赤入れのルール”

1. “5分×毎日”との出会いで変わったこと

以前の私たちは、週一で30〜60分のレビュー会。初稿が重く、指摘は山盛り、翌週に先送り
思い切って、毎日5分・粗いまま提出・その場で次の1手だけ決めるに変更した。

  • 時間:毎日11:45–11:50(全員立ち・画面共有1枚のみ)
  • 範囲:その日の進捗スナップ1点(例:見出し案/SQLのWHERE句/モック1画面)
  • 成果:手戻り-37%、初稿提出前倒し+2.1日(社内実績)

コツは、品質を語らず“次の5分で直せる1点”だけを決めること。積み上げるほど、最終日に“直す場所がない”状態に近づく。

2. 比べないことが教えてくれたもの

他社の完璧な“レビュープロセス図”を真似ても続かない。元社長の私が掴んだのは、レビューは儀式ではなく“毎日の運動”だということ。

  • 期待値を固定:「粗さOK・誤字OK・背景説明は60秒まで」を明文化
  • 言い方を固定:主観禁止、「事実・数値・比較」のみで赤入れ
  • 量を固定:フィードバックは最大3点(増えたら明日へ切り出す)

比べない運用は軽い。軽い運用は毎日回る。毎日回るなら、品質は勝手に上がる

3. それでも前に進む理由(テンプレ&台本)

レビュー依頼テンプレ(Slack/メール|コピペ可)

件名:[5分レビュー] 本日のスナップ(◯◯案/ver0.2)
目的:明日のA/B候補を1つに絞る
見るところ:①見出しの訴求 ②CTA文言 ③余白の使い方
判断:A=採用 B=修正(点数/箇所) C=保留(不足データ)
期限:11:45-11:50(5分・立ち)

5分レビュー台本(進行)

  1. 投稿者:30秒で目的と“見てほしい3点”を宣言
  2. レビュアー:各自1点ずつ、事実/数値/比較でコメント(合計2分)
  3. 決定:A/B/Cを即決→次の修正にかける時間を宣言(1〜5分)
  4. ログ:スクショを貼って“変えた箇所”だけ記録(自動で履歴)

赤入れのルール(壁貼り用)

  • 赤は“否定”ではなく“次の一手”——指摘は動詞で書く(例:見出しを名詞始まりに
  • 「もっと良く」は禁止。数字を入れる/削る/順番を変えるの3択に帰着
  • 迷ったら「B案を1分で作って、並べて決める」

まとめ

  • 週一の大レビューより、毎日の小レビューが手戻りを溶かす
  • 期待値・言い方・量を固定し、“次の5分”で直す設計に
  • 粗いまま出す勇気が、完成を最短距離で連れてくる

次回予告

vol.75『承認は2択だけ——“A/Bボタン”で社内が止まらなくなった』

次回は、承認プロセスを“文章”からボタン2つに変えた話。稟議の渋滞を解消した設計(閾値・ログ・却下理由テンプレ)を公開します。

おまけ・SNS連携

更新情報はX(旧Twitter)でも発信中!
@Okin_san_

元社長のリアル再出発ストーリーをお届けします

タイトルとURLをコピーしました