vol.80『優先順位は“3色信号”——迷いを塗り替えるだけで進む』

シリーズ①:Re:START NOTE|”止まりながら進む日々”

⏱ 読了目安:約3分

「大事なものが多すぎる」——その渋滞は、色で解消できる。

赤=今すぐ、黄=次で備える、緑=機会があれば。

元社長の私は、“全部大事”の会議で毎回つまずいた。言葉で争うのをやめ、仕事を3色で塗るだけにしたら、チームの足並みが揃った。

順位は議論で決めない。色の定義で決める。迷いが消えると、仕事は前に進んだ。

“3色信号”で優先順位の迷いを一掃する瞬間

こんな人に読んでほしい

  • タスクが多すぎて、着手順が毎回あいまいになる人
  • 「急ぎ」と「重要」の言い争いで時間を失っている人
  • チーム全体で同じ基準で動ける仕組みが欲しい人

この記事で伝えたいこと

  • 色の“定義”を先に決めると、優先順位の衝突が消えること
  • タスクは“3色×WIP制限”で同時進行を減らすと速くなること
  • 日次の色替えルールが、迷いを防ぎ前進を継続させること

1. “3色信号”との出会いで変わったこと

私が導入したのは極めて単純だ。まず、色の定義をチームで固定する。
赤(Stop or Do Now):期限T-24h以内/売上直結/顧客影響がある。やる。
黄(Prepare Next):赤になる前の前段。依頼・下準備・情報待ちを整える。
緑(Grow/Improve):成長・改善投資。空き時間 or ブロックでまとめてやる。

さらに、WIP(同時進行)制限を色ごとに設定した。赤は「最大2枚」、黄は「最大3枚」、緑は「無制限ではなく時間枠」。
朝礼ではボードを見ながら、赤→黄→緑の順に15分で整列。議論はゼロ。色の定義が全てを決める。
導入後、未完了の赤タスクは週平均5件→1件に。迷いが消えると、速さは勝手に上がった。

2. 比べないことが教えてくれたもの

他社のOKRや点数付けを真似ても、現場は動かなかった。効いたのは、自社の“詰まり方”に合わせた色の定義だ。
私が使った実務ルールはこうだ。
赤のSLA:着手は30分以内、進捗は2時間ごとに共有。
黄の前倒し:赤化のトリガー(期限・依存関係)をカードに明記。
緑のブロック:毎日45分の“緑枠”を固定。緊急に奪わせない。
色替えの権限本人が自由に変更OK。ただし理由を1行ログへ。
比べないで決めた定義は、チームの現実に刺さる。色が意思決定を代行するからだ。

3. それでも前に進む理由

3色は、万能ではない。赤が多すぎる日は、体制の悲鳴だ。そんな時こそ、赤のWIPで天井を作り、溢れた分は「受けない」勇気を持つ。
私は、“色で断る”ことを覚えた。感情ではなく定義で線を引くと、関係はむしろ健全になった。
迷いは、人を遅くする。色は、迷いを消す。だから今日も、私は仕事を塗り替えてから始める。

まとめ

  • 優先順位は議論でなく“色の定義”で決める
  • 赤2・黄3・緑は時間枠——WIP制限で渋滞を作らない
  • 色替えの権限とログで、現場が自走しリーダーは詰まりだけを見る

次回予告

vol.81『メールは“件名で9割”——開封後3秒で動いてもらう』

次回は、メールの件名設計を分解。タグ×動詞×期限の型で、開封直後に“動いてもらう”具体策を書きます。

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