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不良は工場の奥で生まれない。入口で育つ。
「現場の奇跡」より「入口の凡事」を信じる。
元社長として、毎月のクレーム会議で胃が痛くなるたびに思った。
直す会議をどれだけ重ねても、入口で止めない限り不良は減らない。
だから僕は“チェック1枚”を作り、最初の10分に全てを賭けた。派手さはゼロ。けれど、現場が静かになった日から会社は変わり始めた。

こんな人に読んでほしい
- 初回受け取り・一次検品でミスが抜けがちだと感じている人
- 不良が出てからの手当(返品・再作業)に時間を奪われている人
- 品質会議は多いのに、現場の静けさが戻らないと悩む人
この記事で伝えたいこと
- 「入口で止める」——最初の10分の設計が8割を決めるという視点
- “チェック1枚”で判断を標準化し、迷いと例外処理を減らす方法
- 小さく始め、翌日から定着させる運用のコツ
1. 現場は「後始末」で疲弊していた——だから入口に賭けた
元社長時代、毎週金曜の夕方は“後始末”の時間だった。返品連絡、再作業の段取り、顧客へのお詫び…。
ある日、ベテランの一言に刺さった。「社長、直す会議のために仕事してません?」——図星だった。
そこで“入口”を見直すと、共通点が見えた。初回の受け取りと一次検品が、人によってバラバラ。
「細かくすればミスは減る」は嘘だ。細かいほど現場は読まない。
僕が作ったのは、A4一枚、“5チェックだけ”のシート。誰でも10分で終わる。
例:
・型番・点数・日付の一致(ずれは赤丸)
・外観キズ/欠品の有無(○/×)
・指定条件(温度・湿度・梱包)に反していないか(○/×)
・写真添付(スマホ1枚)
・不一致時の固定アクション(受け取り保留→発注者連絡テンプレ)
これを「最初の10分に必ずやる」ルールに。やらなければ次工程に流せない。
翌月のクレーム件数は体感で半減し、“静かな現場”が戻ってきた。
2. “比べないチェック”——他社や過去のやり方を持ち込まない
入口運用で失敗するのは、「うち流」を守れない時だ。
ベテランの「前の会社では…」は悪気がない。だが、判断基準が混在した瞬間に穴が開く。
対策はシンプル。チェック1枚に“迷った時の答え”を印刷しておく。
例:
・基準にない項目は判定しない(書かれていないことはやらない)
・判定に迷ったら「受け取り保留」→担当へ写真と一言テンプレ送付
・例外運用は当日中にシートへ追記→翌朝に版を更新(全員へ自動配布)
比べない。足さない。迷いは保留。
これだけで、“人によるブレ”が止まり、入口で8割が消える。
3. 明日からできる“チェック1枚”導入の最短手順
1) 5項目だけ選ぶ:過去3か月の不良原因TOP5をシート化(足さない)。
2) 10分タイムボックス:計測して超えたら項目を削る。速度は品質。
3) 写真1枚の義務化:言葉より画像。記録はクラウド1フォルダ。
4) 保留の固定文:テンプレ一行+写真URL。連絡の速さが勝負。
5) 翌朝レビュー10分:例外を1行追記→シートを当日版に更新。
運用のコツは、“完璧より更新速度”。
現場は毎日変わる。シートも毎日、1行でいいから進化させる。
まとめ
- 不良の8割は「入口の10分」で止められる
- チェックはA4一枚・5項目・10分で終わる設計に
- 迷いは保留→写真添付→テンプレ連絡→翌朝1行更新
次回予告
vol.93『現場は“5秒共有”——写真1枚で伝達ミスが消える』
次回は、口頭より速い“画像共有”の仕組み化。連絡のタイムラグと解釈違いを、写真1枚で潰す方法を書きます。
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