vol.140『“立ち止まる日の許可証”——進めない自分を責めすぎない休み方』

シリーズ①:Re:START NOTE|”止まりながら進む日々”

⏱ 読了目安:約3分

「今日は進まない」が続いてもいいように、“止まっていい日”をあらかじめ決めておく。

本音を言えば、立ち止まるのが一番こわい。

元社長だった頃の僕は、「止まったら終わり」「休んだら負け」と思い込んでいた。会社を背負っていた時期は、それでなんとか走り切れた瞬間もある。でも、その裏で、体も心もボロボロになっていくのを、ごまかし続けていた。

再スタートしてからも、あの日の感覚が抜けず、「今日は進めない」と感じるたびに、自分を責めてしまう癖が顔を出す。でも、あの頃と同じ走り方を続けたら、今度こそ本当に動けなくなる——そう思ってから、“立ち止まる日の許可証”を、自分に出すようになった。

道の途中で立ち止まり、静かに空を見上げてひと息ついているシーンを象徴した見出し画像

こんな人に読んでほしい

  • 頭では「休んだほうがいい」と分かっていても、止まる決断がこわい人
  • 何も進まなかった日に、自分を激しく責めてしまいがちな人
  • 再スタートを長く続けたいのに、“休む=サボり”だと感じてしまう人

この記事で伝えたいこと

  • 「立ち止まる日」にも役割がある、という視点の大切さ
  • ただのサボりにしないための、休む決断と過ごし方の工夫
  • 進めない自分を責めすぎず、再スタートを長く続けるための心の整え方

1. 止まることが“敗北”だと思っていた頃

社長をしていた頃、「走り続けること」こそが仕事だと思っていた。
朝から晩まで予定を詰め込み、休みの日もどこかでメールを開いてしまう。
体調が悪くても、「ここで止まったら全部が終わる」と自分を奮い立たせていた。

そんな生活を続けていると、ある日突然、何も手につかなくなる。
机に向かっているのに、資料の一行目から進まない。
電話をかけようとしても、なぜか発信ボタンが押せない。

頭では「今日は一度休んだほうがいい」と分かっているのに、
心のどこかで、こうささやいてくる。

「ここで止まったら、また置いていかれるぞ」
「休むなんて、甘えてるだけじゃないのか」
「元社長のくせに、情けない」

気づけば、休むかどうか以前に、
「立ち止まろうとする自分」を責めることに、エネルギーを使っていた

再スタートの今も、その声は完全には消えていない。
それでも少しずつ、「止まる日にも役割がある」と思えるようになってきた。
きっかけは、“休み方”そのものを決め直したことだった。

2. ただのサボりにしない“立ち止まり方”の工夫

「休む」と決めても、何もしない自分に耐えられず、
結局スマホでSNSを見続けて自己嫌悪…というパターンを何度もくり返してきた。
そこで途中からは、「立ち止まる日のルール」を先に決めるようにした。

① 休む前に「今日はここまで」と一行だけ書く

まずはノートかメモアプリに、負荷をかけずにこう書く。
「今日はここまで。続きは◯日後の自分へ。」
ポイントは、“今日の自分を評価しない一行”にすること。
これを書いてから手を止めるだけで、「投げ出した」感覚が少し薄れる。

② 「やらないことリスト」を3つだけ決める

休む日に限って、頭の中ではあれもこれも浮かんでくる。
なので逆に、「今日は絶対にやらないこと」を3つだけ決める。
例えば、
「仕事メールは開かない」「売上の数字は見ない」「SNSで同年代の活躍を追わない」など。

“やること”ではなく“やらないこと”を決めると、休むことに少しだけ主体性が生まれる。

③ 休み時間にも“ひとつだけOK”を用意する

完全に何もしないのが不安なときは、
「これだけはやってもいい」という行動をひとつ決める。
・散歩しながら考え事をしてもいい
・本を1章だけ読んでもいい
・ノートに“今の気持ち”だけ書き殴ってもいい

これは前に進むためではなく、「自分を落ち着かせるための一歩」として用意しておく。
それを終えたら、あとは何もしなくても合格にする。

3. それでも前に進む理由——止まる日があるから、また走れる

正直に言うと、「立ち止まる日の許可証」を出せるようになった今でも、
休んだ翌日は少しだけ怖い。
「またエンジンがかからなかったらどうしよう」と不安になる。

それでも、休みを先送りにして走り続けていた頃と比べると、
今のほうが圧倒的に長く走れている実感がある。
なぜかというと、

  • 止まるタイミングを自分で選べるようになった
  • 「休んだ自分」を必要以上に責めなくなった
  • 再スタートを「長く続けるゲーム」として見れるようになった

立ち止まる日は、前に進めなかった日のように感じる。
でも振り返ってみると、
止まらずに突っ走って壊れた時期のほうが、結果的に遠回りだったと気づく。

再スタートの毎日は、どうしても「また止まったら終わりだ」という恐怖と隣り合わせだ。
だからこそ、
「今日はここまででいい」「この休みは次の一歩のため」
という小さな許可証を、自分で自分に出していきたい。

もし今、どうしても進めない日が続いているなら、
それは「一度、立ち止まる許可を出してほしい」というサインなのかもしれない。
止まることもまた、再スタートの一部だと信じてみてもいいはずだ。

まとめ

  • 「立ち止まる=敗北」という思い込みが、心と体をすり減らしていく
  • 休む前の一行メモ・やらないことリスト・ひとつだけOK行動で、ただのサボりではない“立ち止まり方”を設計できる
  • 止まる日があるからこそ、再スタートを長く続けられる——立ち止まる自分に、小さな許可証を出していく

次回予告

vol.141『“弱音の出しどころ”——一人で抱え込まないための相談術』

次回は、再スタートの不安やしんどさを、どこにも出せず一人で抱え込んでいた時期の話を書きます。元社長としてのプライドと、一人の人間としての弱さ。その両方を抱えたまま、「誰に」「どこまで」打ち明けてきたのか——弱音の出しどころと、相談の仕方についてまとめていきます。

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