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「今の俺を見たら、あいつはなんて言うだろうか。」——再会を恐れていたのは、俺の矮小なプライドだった。
「惨めな姿は見せたくなかった。でも、彼は俺の『今』を笑わなかった。」
起業したばかりの何も知らなかった俺に、ビジネスのイロハを叩き込んでくれた恩師。数億円を動かしていた絶頂期の俺も、すべてを失って営業代行の現場で泥を啜っている今の俺も、彼にとっては等しく「一人の教え子」でしかなかった。
居酒屋のカウンター、煙の向こう側で投げかけられた衝撃の一言が、止まっていた俺の羅針盤を再び、激しく狂わせることになる。

こんな人に読んでほしい
- 挫折し、かつての知人に会うのが怖いと感じている人
- 今の自分に価値があるのか、自信を失いかけている人
- 再出発のための、本当の意味での「勇気」を探している人
この記事で伝えたいこと
- 「何者でもない自分」を認めてくれる存在の大きさ
- 地位や名誉という鎧を脱いだ時、初めて届くアドバイスがある
- どん底からの再起に必要なのは、過去への執着を捨てる「覚悟」
1. カウンター越しの沈黙と、予想外の反応
営業代行でトップの成績を出し始めたとはいえ、肩書きは「新人」。かつての恩師と顔を合わせるのには相当な覚悟が必要だった。見栄を張りたい自分と、今の泥臭い自分を肯定したい自分が、心の中で激しくせめぎ合う。
「先生、今の俺は、ただの営業マンです……」
申し訳なさと羞恥心で俯く俺に、彼はビールを飲み干すと、意外な言葉をかけた。
「お前、数千万稼いでた頃より、今の方がいい面構えしてるじゃないか」
その一言で、張り詰めていた俺の糸が、音を立てて切れた。
2. 比べないことが教えてくれた「本当の自負」
恩師はこう続けた。「お前が戻るべきは『社長の椅子』じゃない。どこへ行っても、誰を相手にしても、裸一貫で生き抜ける『自分』だろ」。
俺は無意識のうちに、今の自分と「かつての成功していた自分」を比べて、勝手に失格点をつけていただけだった。だが、恩師が見ていたのは俺の銀行残高ではなく、今の俺の目の中に宿っている「執念」だったんだ。
他人と比べることをやめた時、そして過去の自分と決別した時、18万円の給料も、現場での泥臭い一件の契約も、すべてが「本物」の自負として俺の中に溶け込んできた。
3. それでも前に進む理由
「いいか、もう一度『社長』を目指すのはやめろ」。恩師の最後のアドバイスは、衝撃的だった。「次は、会社という箱がなくても世界を変えられる『プロ』になれ」。
羅針盤は狂った。でも、それは目的地がズレたのではなく、もっと高い次元の目的地を指し示したからだ。俺はもう、肩書きというメッキに守られた偽物の王様には戻らない。この更地で掴み取った「本質」という武器を研ぎ澄ませて、どこまで行けるか試してみたい。不安はある。だが、それ以上に今は、次の一歩が楽しみで仕方がないんだ。
まとめ
- 自分の価値を、他人の目や過去の肩書きに委ねてはいけない
- 「恥」をさらけ出した先に、真の再建が始まる
- 人生の羅針盤は、壊れた時こそ「新境地」を指し示す
次回予告
vol.203『覚醒の第二創業——「社長」に戻るのをやめた時、真のビジネスが始まった』
恩師の言葉を受け、俺はひとつの重大な決断を下す。それは、再び「社長」という肩書きを背負うことへの執着を完全に捨てることだった。自由になった俺が、現場で見つけた「究極の稼ぎ方」とは──。
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