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地獄の底で見つけたのは、冷たい数字ではなく、仲間の体温だった。
「残り72時間。死ぬ気で、このミスを最高の『伝説』に変えてみせます。」
絶体絶命。数千万円の発注ミスという「詰み」の状態から、チームが動き出した。かつての俺なら、ミスをした部下を叱責して終わりだった。だが、今の俺は知っている。営業の世界で本当に価値があるのは、完璧な平時ではなく、ボロボロの戦場で見せる「執念」だということを。
どん底で膝をついた若手が立ち上がり、これまでの甘さを脱ぎ捨てて「プロ」の顔に変わった瞬間。その時、チームは単なる集団から、最強の「組織」へと進化したんだ。

こんな人に読んでほしい
- 重大なミスを犯し、立ち直るきっかけを失っている人
- チームの結束力を高めたいが、やり方がわからないリーダー
- ピンチをチャンスに変える「営業の極意」を知りたい人
この記事で伝えたいこと
- 「謝罪」の先にある「提案」が、顧客の信頼を逆転させる
- リーダーが負うべきは、責任ではなく「メンバーの可能性への期待」
- 本気の失敗は、成功以上の学びと絆を連れてくる
1. 「72時間の逆転劇」で見せた執念
ミスを犯した本人が、徹夜で作り上げたリカバリープラン。そこには、俺が指示した以上の「顧客の痛み」に対する想像力が詰まっていた。彼は、自分が失いかけた信頼を取り戻すために、クライアントの隠れたニーズまで洗い出してきた。
かつての俺が「社長」として求めていたのは完璧な計算だったが、今、目の前にあるのは「泥臭い情熱」だ。彼が顧客のオフィスへ一人で乗り込み、震える声で再提案を行う背中を見て、俺は確信した。この失敗こそが、彼を一流のビジネスマンに育てる「通過儀礼」だったのだと。
2. 比べないことが教えてくれた「不器用な正解」
かつてのスマートな自分や、他社の華々しい成功事例と今のチームを比べるのはもうやめた。今の俺たちの正解は、洗練されたプレゼンではなく、失敗を認め、額を地面にこすりつけながらも、「それでも御社に貢献したい」と叫び続けることだ。
不器用でもいい。カッコ悪くてもいい。その「誠実さの濃度」が一定を超えたとき、クライアントの心は動き、当初の契約以上の強いパートナーシップが結ばれた。これは、効率化だけを追い求めていた社長時代の俺には、決して到達できなかった境地だった。
3. それでも前に進む理由
トラブルが解決した夜、オフィスを出ると冷たい夜風が心地よかった。横を歩く彼が「〇〇さん、僕、この仕事がもっと好きになりました」と呟いた。その言葉を聞いたとき、俺は「元社長」としてのプライドが完全に消え去り、一人の「リーダー」として再生したことを実感した。
不安や迷いは消えない。けれど、こうして共に傷つき、共に立ち上がる仲間がいる。それが、俺がまた更地の上で家を建てようと思える、唯一にして最強の理由なんだ。
まとめ
- ピンチの時こそ、リーダーはメンバーの「後ろ」ではなく「前」に立て
- 失敗は「終わりの合図」ではなく「本気の始まり」
- 本当の絆は、成功を祝う時よりも、泥水を啜り合う時に生まれる
次回予告
vol.211『新たな視座——「個」を脱ぎ捨て、組織の歯車として輝く勇気』
チームを救った俺たちに、次なるステージが用意される。だが、そこで突きつけられたのは、再び「自分自身」の価値を問われる過酷な環境だった。看板のない俺が、今度はどうやって「組織」の中で自分を証明していくのか──。
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