vol.136『“週のスタートライン”——月曜に振り回されない準備術』

⏱ 読了目安：約3分

月曜がつらいのは、“準備不足”ではなく“気持ちの置き場”がないからだ。

元社長時代、月曜日はいつも“戦いの始まり”だった。

溜まったメール、週次会議、数字のチェック、新規案件の山。朝からトップスピードで走らされ、午前中の時点でヘトヘトになる週も多かった。

でも、本当にしんどかったのは「仕事量」ではなく、「週をどう始めるか」の感覚が自分の中で整っていなかったことだと、後から気づいた。

月曜はコントロールする日ではなく、“揺れない軸をつくる日”。今回は、金曜・日曜・月曜で静かに整えていく“週のスタートライン”についてまとめていく。

こんな人に読んでほしい

• 毎週月曜日に振り回されてしまう人
• 「週の始まりがいつも重たい」と感じている人
• 再スタートの毎日を、もっと落ち着いた状態で迎えたい人

この記事で伝えたいこと

• 週のスタートラインは“月曜の朝”だけではないという視点
• 金曜・日曜・月曜の小さな準備で心の余裕をつくる方法
• 月曜日を“再スタートの基準日”に変える考え方

1. 月曜にいつも飲み込まれていた頃の話

社長をしていた頃、月曜の朝が苦手だった。
理由はシンプルで、週末に仕事の気配を完全に切れていなかったからだ。

金曜の夜、やり残しのタスクを抱えたまま帰宅し、週末はなんとなく落ち着かない。
日曜の夜には「明日からまた始まるのか…」という重さがじわじわのしかかる。

月曜の朝を「週のスタート」と呼ぶけれど、心がまだ週末に残っているままでは、エンジンがかかるはずがない。

あるとき思った。
「月曜を変えるには、月曜以外のどこかに、スタートの準備を置いておく必要がある」と。

そこから試したのが、金曜・日曜・月曜の“三段構え”でスタートラインを引き直す方法だった。

2. 金曜・日曜・月曜に分けてつくる“週のスタートライン”

月曜の負担を軽くするには、週末と週明けに少しずつ「準備のポイント」を散らすと驚くほどラクになる。
僕が続けていたのはこの3ステップだった。

① 金曜：翌週の「心配ごと」を先に書いておく

金曜の退勤前に、翌週に向けて気になっていることを3つだけ書き出す。
「資料の最終確認」「取引先の返答待ち」「内部調整が必要な件」など、曖昧な不安を言語化しておく。

これをするだけで、週末の頭が軽くなる。
不安の正体が“見える化”されると、感情は半分落ち着く。

② 日曜：月曜の“一歩だけ”を決める

日曜の夜、ToDoリストを作り直す必要はない。
ただ、月曜に「最初に取りかかる一歩」をひとつだけ決めておく。
例えば、「A社への返信」「会議前に5分の下準備」「社内への確認メッセージを送る」など。

月曜は「最初の一歩が決まっているかどうか」で、午前中の精神状態がまるで違う。

③ 月曜：朝5分で“週のOS”を立ち上げる

月曜の朝は、勢いでメールを開かず、まず深呼吸してから日曜の“ひとつの一歩”を確認する。
そのあと、週のテーマを1行だけ書く。
「丁寧に進める週」「粘りの週」「とにかく動く週」——内容はなんでもいい。

大事なのは、「週の主導権を自分の側に置く」という感覚をつくることだ。

3. 月曜に振り回されなくなった理由

月曜の負担が減ったのは、仕事が軽くなったからではない。
自分の中で“週の軸”が立ったからだ。

多くの人は「月曜になって初めてスイッチを入れようとする」。
でも、それでは外から押し寄せるタスクの波に飲み込まれてしまう。

金曜に不安を言語化し、日曜に一歩を決め、月曜に軸を立てる。
この三段構えが、週の重さをじわっと軽くしてくれる。

再スタートの毎日は、どうしても焦りがついて回る。
だからこそ、月曜を“再スタートの日”として、自分で整える習慣が必要なのだ。

まとめ

• 月曜を変えるには、金曜・日曜・月曜に「準備ポイント」を置くのが近道
• 金曜は不安の言語化、日曜は一歩の決定、月曜は週のOSの立ち上げ
• 週の軸が整うと、月曜は“振り回される日”から“整える基準日”に変わる

次回予告

vol.137『“積み上がらない日”の整え方——成果ゼロでも折れないメンタル術』

次回は、どれだけ頑張っても成果が見えない日が続くとき、どう心を整えていたのかを書きます。元社長としても、一人の人間としても向き合ってきた“積み上がらない日のメンタル術”をまとめていきます。

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