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「長い会議=仕事した気」——その錯覚を、砂時計ひとつで終わらせた。
会議は情報交換ではない。意思決定の場だ。
元社長の私は、1時間の会議を毎日回しながら、何も決められない日々にうんざりしていた。そこで試したのが、15分の砂時計と3スロットの進行だけ。
雑談は自然に消え、決まるスピードが上がった。時間を小さく区切ると、人は“結論”を持ち寄るようになる。

こんな人に読んでほしい
- 会議が長いのに何も決まらないことに悩んでいる人
- 「それSlackでよくない?」が口癖になっている人
- 現場の意思決定速度を上げたいリーダー・マネージャー
この記事で伝えたいこと
- 時間の“物理的制約”が思考を研ぎ澄ますという視点
- 進行の型を最小化すると、発言は自然に要点だけになること
- 小さく決めて次に回す“前進の手触り”がチームを強くすること
1. “砂時計×15分”との出会いで変わったこと
最初にやったのは、会議室に15分の砂時計を置いただけ。そしてアジェンダは3スロット(各5分)に固定した。
①事実(5分):数字・期日・制約だけ。感想・推測は出さない。
②選択肢(5分):最大3案まで。メリデメを1行ずつ。
③決める(5分):実行担当・期限・最初の一手を宣言。
これにより、脱線は砂が落ちる音で自動的に止まる。発言は短く、会議の後ろにタスクが“すぐ”立つ。
さらに、長時間会議は連結方式に置き換えた。15分を最大2本まで連続可(=30分が上限)。それでも決まらなければ、材料不足として一旦解散し、不足リストだけをSlackで共有。会議で解けない問題を、会議で握りしめない癖がついた。
2. 比べないことが教えてくれたもの
「ファシリが上手ければ会議は回る」という固定観念を捨てた。大切なのは名人芸ではなく、誰でも回せる“型”だ。
私の結論はシンプル。
・資料の事前提出(最大3枚):会議は読む場所ではなく、決める場所。
・発言は1人60秒:タイムアップで自動的に次。
・結論フォーマット:「誰が/いつまでに/何を」だけを議事に残す。
他社の理想の会議術を追うより、自社の“遅い理由”を消す最小ルールを作るほうが速い。15分×砂時計は、そのための物理スイッチになった。
3. それでも前に進む理由
砂時計をひっくり返す瞬間、場の空気が締まる。小さな緊張が、“決める勇気”を生む。
ミスを恐れて先延ばしにするより、小さく決めて小さく修正するほうが速いし安全だ。会議の成功とは良い議論ではなく、翌日の行動が変わることだと、私は思う。
まとめ
- 会議は“15分×3スロット”で目的を「決める」に固定する
- 資料は事前、会議は結論——発言は60秒、議事は「誰/いつ/何を」
- 決まらない会議は材料不足。不足リストを共有していったん散る
次回予告
vol.78『報告は“3行×即送”——既読スルーが消えた日』
次回は、メール・チャットの“長文→既読スルー”をどう断ち切ったか。3行テンプレと送信タイミングで、応答速度を一気に上げた話を書きます。
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