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「まだ足りない」の口グセは、いつの間にか自分を削るナイフになる。
いちばん厳しい上司は、いつも自分の中にいた。
売上が上がっても「もっと取れたはず」、新しいチャレンジをしても「この程度じゃ意味がない」。元社長時代の僕は、どんな結果にも“減点”をつけるクセがあった。再スタートしてからもそのクセは抜けず、気づいたら毎日、自分の心に赤ペンを入れていた。
何をしても合格を出さない採点表を握りしめていたら、どこかで必ず折れてしまう。今回は、反省グセと自責グセの両方と向き合いながら作ってきた、「自分への採点を手放すためのチェックリスト」をまとめていく。

こんな人に読んでほしい
- 何をしても「まだ足りない」と自分に厳しすぎる採点をしてしまう人
- 一日の終わりに「できなかったこと」ばかりが頭に浮かんでしまう人
- 再スタートの毎日を、もっと長く穏やかに続けていきたい人
この記事で伝えたいこと
- 「減点思考」から一歩ずつ離れていくための視点
- 自分を追い詰めずに、現実と向き合うためのチェックリスト
- 内側の焦りを抱えたままでも、足元の一歩を肯定できるようになるヒント
1. 自分だけに“満点を出さない上司”をやっていた頃
社長をしていた頃、周りからは「ストイックですね」と言われることが多かった。
実際はただ、自分にだけ異常に厳しい採点をしていただけだ。
目標達成 → 「たまたまだ」「上振れしただけ」
新しい取り組み → 「まだ形になっていない」「もっとできたはず」
部下のミス → 「自分の教育が悪い」「社長失格だ」
どんな出来事にも、無意識に減点の赤ペンを走らせていた。
再スタートしてからも、そのクセは強烈に残っていた。
一日ブログを書いても、「まだ文章が浅い」。
テレアポを頑張っても、「件数が足りない」。
新しいチャレンジをしても、「この程度で満足してたらまた失敗する」と、自分にだけは合格を出さない。
ある夜、ふとノートを見返したとき、気づいてしまった。
「改善点」と書いたページばかりで、「できたこと」がほとんど残っていない ことに。
そのとき初めて、「自分への採点表そのものを見直さないと、この先ずっと同じことを繰り返す」と思った。
そこから、少しずつ減点思考を緩めるチェックリストを作り始めた。
2. 減点思考から抜け出す“自分チェックリスト”
減点思考をゼロにするのは、正直むずかしい。
だから僕は、「せめてここだけは確認してから、自分を責めよう」 というチェックリストを用意した。
✅ ① 今日は「何点」ではなく「何をした日」と言えるか?
自分に点数をつける前に、まずは事実ベースでこう書き出す。
「今日は◯件電話した」「1記事書いた」「1件断られたが理由をメモした」など。
点数ではなく、“行動のログ”として見る癖をつける。
✅ ② その行動は、「今の自分にできる最大値」に近かったか?
結果ではなく、「その瞬間の自分の出力」に目を向ける。
体調・メンタル・環境を踏まえたうえで、
「今日は70%しか出せなかった」ではなく、
「70%なりにちゃんとやったか?」を自分に問いかける。
✅ ③ 減点の前に、「加点ポイント」を3つ挙げたか?
自分にダメ出ししたくなったときほど、先に加点を3つひねり出す。
「迷いながらも一歩出た」「断られても折り返し電話をした」「正直に弱音を吐けた」——内容はなんでもいい。
まず自分を“認めてから”でないと、反省はただの自傷行為になりやすい。
✅ ④ その反省は、「明日の一歩」に変換できているか?
自分を責める言葉から、「じゃあ明日はどうする?」という行動に落ちているかを確認する。
「もっと頑張る」ではなく、
「次は◯◯を1つだけ変えてみる」と言えるかどうか。
行動に変わらない反省は、いったん横に置いていい。
✅ ⑤ “誰かの採点表”で自分を測っていないか?
最後に問いかけるのはこれだ。
その基準は、本当に自分が大事にしたいものか?
それとも、昔の上司・親・世間の「理想の社会人像」なのか?
他人の採点表で生きていないかを確認する。
この5つをチェックして、それでも「今日は厳しめに反省したい」と思うなら、そこで初めて丁寧に振り返るようにした。
それだけでも、自分へのダメ出しの“深さ”はかなり変わった。
3. それでも前に進む理由——“合格ライン”を自分で決め直す
減点思考は、一度ハマるとなかなか抜け出せない。
特に、過去に大きな失敗をした経験があると、
「あの頃の自分に戻りたくない」という恐怖から、
つい自分に厳しすぎる採点をしてしまう。
僕も、前の起業の失敗を引きずっていた頃は、
「また同じことを繰り返したらどうしよう」という不安から、
何をしても「まだ足りない」と自分を追い込んでいた。
それでも今、再スタートを続けられているのは、
「合格ラインは自分で決め直していい」 とやっと思えるようになってきたからだ。
・毎日100点じゃなくてもいい
・80点の日もあれば、40点の日が続く週もある
・それでも「今日もなんとか一歩だけは動いた」と言えるなら、それで合格
そんなふうに、自分への採点表を少しずつ書き換えている。
減点思考を完全になくす必要はない。
ただ、「もう十分頑張ってるよ」と、自分に言ってあげるタイミングだけは、自分で決めていい。
今日もどこかで、自分に厳しすぎる点数をつけている誰かが、
少しだけペンを置けるように——そんな願いを込めて、この章を書いている。
まとめ
- 減点思考は、「がんばり」よりも「自分への言葉」で心を削っていく
- 自分への採点をする前に、今日の行動ログ・加点ポイント・他人の採点表かどうかをチェックする
- 合格ラインは自分で決め直していい——「今日も一歩動けたなら合格」という基準を持つことが、再スタートを支える
次回予告
vol.139『“他人のスピード”に飲まれない——比較疲れから抜け出すペース設計』
次回は、同年代の活躍やSNSのタイムラインを見ているうちに、自分だけ取り残された気持ちになるとき、どうペースを整えてきたのかを書きます。元社長時代の「競争モード」と、再スタート期の「比較疲れ」から抜け出すためのペース設計術をまとめていきます。
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