vol.106『“3分稟議テンプレ”——起案から承認まで一直線』

シリーズ①:Re:START NOTE|”止まりながら進む日々”

⏱ 読了目安:約3分

稟議は“書く量”ではなく、“押す導線”で決まる。

3分で起案できるなら、承認は翌日に動く。

元社長の頃、稟議は毎回「様式との戦い」だった。長い説明、添付地獄、差し戻し。
ある日、要点1枚そのまま貼るテンプレを作った。起案3分、承認の導線は一直線。

稟議は説得文ではない。押印のためのチェックリストだ。

“要点1枚→稟議フォーム”を直結させ、起案3分で回し始めるシーン

こんな人に読んでほしい

  • 起案に30分以上かかり、差し戻しで1週間溶かしている人
  • 稟議書の「背景・目的」で毎回筆が止まる人
  • 小規模事業で、意思決定の“回覧速度”を上げたい経営者

この記事で伝えたいこと

  • 稟議は「要点1枚の写経」で3分起案できるという視点
  • 見出し・条件・価値・次の一手の4ブロックで差し戻しが減る
  • そのまま使える“3分稟議テンプレ”と運用ルール

1. “3分稟議”との出会いで変わったこと

以前の僕は、稟議の前に「説明用スライド」を作り、さらに要約を書いた。時間だけが消えた。
そこで、商談で使った要点1枚(A4片面)を稟議フォームへ貼り付ける方式に変更。
「背景」は1行で結論化、「費用・効果・期限」は要点1枚からコピー&ペースト
起案は3分、差し戻しは激減した。承認側の質問も、要点1枚の語彙に統一されたからだ。

2. 比べない稟議——“4ブロック写経”だけを守る

他部署の長文様式は真似しない。うち流は、要点1枚=稟議本文。コピペで3分完了。
下のテンプレをフォーム(またはGoogleドキュメント)にそのまま貼る。

【件名】<要点1枚の見出し1行(結論)>
例:Aプラン開始(初月△%削減/納期○/○/既存運用維持)

【目的(1行)】売上/コスト/リスクのどれを何%・いつまでに
【背景(1行)】現状の課題(名詞+動詞で1行)
【提案内容(そのまま貼付)】
・結論(1行)
・条件(各1行:価格/範囲/契約期間/支払/責任分界)
・価値(各1行×3:数値効果/リスク低減/実績)
・次の一手(チェック式:□Aで進行 □Bへ縮小、有効期限○/○)

【費用/効果(各3行以内)】
・初期費用/月額/変動:□□
・差引効果:当月-○万円/○ヶ月でROI反転
・根拠資料:URL(効果試算/導入スケジュール/リスク対処)

【リスクと対処(3行)】主要懸念3つ→対処3つ(「懸念→一手」で1行ずつ)
【スケジュール(4行以内)】W1準備/W2設定/W3テスト/W4本番
【承認欄】起案・承認・最終承認(記名/日付/押印 or 電子署名)
【期限】本日○:○ までに○/×回答、未了時はB案へ切替

ルール:
・各項目は1行、数字は最大3つ
・専門語は上司の業務語に置換(例:MTTR→復旧平均時間)。
・根拠はURL/別紙1枚に集約。本文は“押印の導線”だけにする。

3. それでも前に進む理由

稟議の敵は“読む量”だ。
説明を削り、チェック欄・有効期限・責任分界を先に並べる。
それだけで、承認者は“読む”から“押す”へ切り替わる。
起案3分のスピードは、組織の意思決定を軽くする。

まとめ

  • 要点1枚を稟議本文へ“写経”——起案3分で回覧開始
  • 結論・条件・価値・次の一手=4ブロック固定/数字は3つまで
  • 押す導線(チェック欄・有効期限・責任分界)を先に置く——根拠はURL

次回予告

vol.107『“係長フィルター”——中間承認を一発で通す言い換え』

次回は、差し戻しの9割を生む“係長フィルター”の突破術。3行の言い換えと印鑑ラインの整え方をまとめます。

おまけ・SNS連携

更新情報はX(旧Twitter)でも発信中!
@Okin_san_

元社長のリアル再出発ストーリーをお届けします

タイトルとURLをコピーしました