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「予定が埋まっていない=サボっている」という呪いを手放す。
元社長時代の僕は、予定表が“真っ白”だと不安で、つい隙間を埋め尽くしてしまうタイプだった。
打ち合わせ、商談、社内ミーティング、採用面談…。カレンダーはびっしり埋まっているのに、ふとした瞬間に「で、何が前に進んだんだっけ?」と立ち止まる。予定が増えるほど、心と頭の余裕は逆に削られていった。
倒れかけてようやく気づいたのは、「余白のない予定表」は、仕事の質だけでなく、自分の判断力まで奪っていくということ。今回は、“埋めない勇気”を持つための、現場目線の時間設計についてまとめてみる。

こんな人に読んでほしい
- 予定表がスカスカだと不安になり、つい会議や予定を詰め込みがちな人
- 毎日バタバタしているのに、気づけば「本当にやりたかったこと」が後回しになっている人
- 内側では焦っているのに、足元の一歩をじっくり考える時間が取れていない社長・営業の人
この記事で伝えたいこと
- 「予定を埋める=仕事をしている」ではない、という視点の大切さ
- 現場の予定表に、あえて余白を確保するためのシンプルな時間設計
- 埋めたくなる焦りと付き合いながら、足元の一歩を守るための考え方
1. びっしり埋まった予定表から見えなくなったもの
正直に言うと、社長をしていた頃の僕は「予定が埋まっている自分」に安心していた。
朝から晩まで予定がびっしり入っているカレンダーを見ると、「今日も戦ってるな」と妙な満足感があった。
でもある日、週末にふと振り返ってみたとき、愕然とした。
365日分の予定は埋まっていくのに、
- 会社として本当に進めたかった案件は、ほとんど動いていない
- 現場の悩み相談は聞けているようで、深いところまで届いていない
- 自分の頭を使って考える時間は、ほぼゼロに近い
予定表を埋めることが目的化して、「なぜそれをやるのか」 を考える余白が消えていた。
追い打ちをかけるように、スケジュールの詰め込みが続いたある月、体調を崩して数日寝込んだ。
そのとき初めて、空っぽになった自分のカレンダーを見ながらこう思った。
「予定表が真っ白になって初めて、本当に大事なことが見えるって、皮肉だな。」
ここから、「余白も予定のうち」と考えるようになった。
2. 「余白ブロック」を先に入れる時間設計
予定表に余白をつくる、と聞くと、
「そんな余裕ない」「お客様優先だから無理だ」と思うかもしれない。
僕も最初はそうだった。
そこで試したのが、「余白も先にブロックしてしまう」 というやり方だった。
具体的には、こんな感じ。
- 午前・午後それぞれ30〜60分の「バッファ枠」を予定表に入れておく
- その枠には、あえて「予備」「バッファ」とだけ入れておく(用途は決めない)
- 急なトラブルや、前の予定の延長はこの枠で吸収する
一見すると当たり前のように見えるけれど、
「余白を残す」ではなく
「余白を予定として確保する」 と考えるだけで、守りやすさが全然違う。
さらに社長時代、僕がよくやっていたのは、
- 週に1枠だけ「考える時間」として90分ブロックする
- その時間には会議も商談も絶対に入れない(自分との約束扱い)
たった週1枠でも、「考えるための余白」があるかどうかで、
現場の判断の質や、次の一手のスピードが大きく変わっていった。
予定表の余白はサボりではない。
現場の自分が壊れないようにするための、最低限の安全装置 だと考えるようになってから、少しずつ入れやすくなった。
3. それでも予定を埋めたくなる自分とどう付き合うか
とはいえ、頭では分かっていても、いざカレンダーの空き時間を見ると、
「ここに1件入れられるな」「この時間も打ち合わせできるな」と埋めたくなる。
元社長のクセは、なかなか抜けない。
僕がやっていたのは、予定を入れる前に一度だけ自分に質問することだった。
- この予定は、「今週の一番大事なテーマ」とつながっているか?
- この時間を使うことで、誰の何が前に進むのか?
- この予定を入れるために、何か大事な余白を削っていないか?
3つ全部に「はい」とは答えられなくてもいい。
でも、何も考えずに埋めるのではなく、
一度立ち止まってから埋める。
これだけでも、スケジュールの疲れ方はかなり変わってくる。
内側の焦りは、「予定でごまかす」と一瞬だけ軽くなる。
でも足元の一歩を守るためには、あえて空白の時間と向き合う必要がある。
予定表の余白に、「何もしない時間」ではなく、
「自分と会社を守るための時間」という意味を持たせてあげる。
それが、“埋めない勇気”を少しずつ育てていく、現場ベースのやり方なのかもしれない。
まとめ
- びっしり埋まった予定表は、仕事の量以上に「考える余白」を削ってしまう
- 余白は「あとで」つくるのではなく、「先にブロックする予定」として確保する
- 予定を入れる前に一度だけ立ち止まり、“埋めない勇気”で自分と現場を守る
次回予告
vol.132『“夜のシャットダウン儀式”——PCを閉じても頭が仕事モードのままのあなたへ』
次回は、仕事が終わってPCを閉じても、頭の中だけは会議や案件がぐるぐる回り続ける…そんな状態から抜け出すための「1日の締め方」について書きます。元社長時代に実践していた、夜の小さなシャットダウン儀式と、翌朝の自分を楽にするメモの残し方をまとめていきます。
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