vol.134『“昼のリセット5分”——午後の失速を防ぐ小さな中間メンテ』

シリーズ①:Re:START NOTE|”止まりながら進む日々”

⏱ 読了目安:約3分

午後のパフォーマンスは、昼休みの“5分の使い方”でほぼ決まる。

午前中でガソリンを使い切って、午後は惰性で乗り切る——元社長時代の僕はずっとそんな働き方をしていた。

午前中の打ち合わせやトラブル対応で体力と気力を持っていかれ、昼ごはんを食べたら一気に眠気が襲ってくる。気づけば、午後一の会議で頭が真っ白のまま座っている自分がいた。

そこから学んだのは、「昼に一度、意図的にリセットをかける」ことの重要性。今回は、現場で実際に使っていた“昼の5分リセット”と、午後の失速を防ぐ小さな中間メンテナンスについてまとめていく。

忙しい日の合間に、静かに5分だけ自分を整えている昼休みのシーン

こんな人に読んでほしい

  • 午前中に全力を出し切って、午後はいつも集中力が続かない人
  • 昼食後に一気にパフォーマンスが落ちて、「毎日午後が自己嫌悪タイム」になっている人
  • 再スタートの毎日を、最後まで走り切れる形に整えたい社長・営業の人

この記事で伝えたいこと

  • 午後の失速は「気合い不足」ではなく、「リセット不足」から来ているという視点
  • 忙しくても続けられる、5分でできる昼の中間メンテナンスの方法
  • 内側の焦りを抱えながらも、午後の一歩を守るための整え方

1. 午前で燃え尽きていた頃の“午後クオリティ”

正直に言うと、社長をしていた頃の僕は「午前中勝負」タイプだった。
朝イチから会議、商談、社内打ち合わせを詰め込み、午前中で一気に片づけようとする。
その代わり、午後はどこかで集中力が切れてしまう。

昼ごはんを食べたあと、メールチェックをしているつもりが、気づけば同じ文章を何度も読み返している。
午後一の会議では、相手の話を聞いているようで、頭の中では別のタスクがぐるぐる回っている。

一日の終わりに振り返ると、こう思っていた。
「今日も午後の自分はイマイチだったな…」
それでも、次の日もまた同じパターンを繰り返してしまう。

ある日、午前中に大きなトラブル対応を終えたあと、あまりに疲れて会議室に1人でぼーっと座っていた。
ふと時計を見ると、次の打ち合わせまで10分だけ余裕があった。

「この10分で、せめて頭だけでもリセットできないか」
そこから試行錯誤して生まれたのが、“昼のリセット5分”だった。

2. 午後を立て直す“昼のリセット5分ルール”

昼休みを丸ごと休めれば理想だけれど、現場ではなかなか難しい。
だからこそ、「5分だけでもいいから、自分のために時間を切り出す」ことにした。
僕がやっていたのは、この3ステップだ。

① 2分間、意図的に“何もしない”時間をつくる

スマホもPCも見ず、椅子に座ったまま、ただ目を閉じる。
深呼吸をしながら、さっきまでの会議やメールの余韻が頭から抜けていくのを待つ。
ポイントは、「考えをまとめる時間」にしないこと。
あくまで“思考の音量を下げる時間”として2分だけ確保する。

② 今日のここまでを、3行だけメモする(2分)

ノートでもメモアプリでもいいので、午前中の自分を3行で要約する。
「〇〇案件の方向性が固まった」「クレーム対応が一区切りついた」
「未完了になったタスク」も正直に1つだけ書いておく。
自分を責めるためではなく、“ここまで進んだ”を可視化するための3行だ。

③ 午後の“一歩だけ”を決める(1分)

最後に、午後の時間で「これだけは進めたい一歩」を1つだけ書く。
重要度・緊急度の高いタスクでもいいし、心に引っかかっている案件でもいい。
基準はただ一つ。
「これが終わっていれば、今日は合格」と自分が思えるかどうか。

ここまでで合計5分。
これを挟むだけで、午後のスタートが「なんとなく再開」から
「自分で選び直した一歩」へと変わっていった。

3. なぜそこまでして“昼に立て直す”のか

それでも現場にいると、
「そんなことやってる余裕はない」「昼も仕事してないと終わらない」
という声が聞こえてくるのも分かる。

僕がそれでも昼のリセットを続けたのは、
「午後の自分」が、一日の印象をほとんど決めてしまうと感じたからだ。

午前中どれだけ頑張っていても、
午後にダラダラと時間を溶かしてしまうと、
一日の終わりに「今日もあんまり進まなかったな…」という感覚だけが残る。

逆に、午前中がイマイチでも、
昼に一度リセットして、午後の一歩をきちんと踏み出せた日は、
「まあ、今日はこれで良し」と思える。

再スタートの毎日は、いつも完璧にはいかない。
午前を落とす日もあれば、午後に失速する日もある。
だからこそ、どこかのタイミングで立て直すポイントを決めておく必要がある。

僕にとっては、それが“昼のリセット5分”だった。
一日を救うのは、大きな決断ではなく、
こうした小さな中間メンテナンスなのかもしれない。

まとめ

  • 午後の失速は「気合いの問題」ではなく、「昼のリセット不足」が原因になりやすい
  • 2分の“何もしない”、3行メモ、午後の一歩決め——合計5分で中間メンテナンスを入れる
  • 午前がイマイチな日こそ、昼に立て直すことで「今日はこれで良し」と思える一日が増えていく

次回予告

vol.135『“夕方の手放しメモ”——持ち帰らない仕事を増やすコツ』

次回は、1日の終わりに仕事を家まで持ち帰らないための「夕方の手放し方」について書きます。元社長時代に実践していた、退勤前10分でできる“頭とタスクの片づけ方”と、心を軽くするメモ術をまとめていきます。

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