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「長いお願い」より「一行の指示」が、現場を一番早く動かす。
依頼は説明ではない。行動の設計だ。
元社長の私は、“補足だらけのお願いメッセージ”で仕事が止まる瞬間を何度も見た。だから決めた——依頼はテンプレ一行。5W1Hを最短で詰め、相手がその場で着手できる形にする。
一行にした日から、聞き返しは消え、納期は前に寄った。

こんな人に読んでほしい
- 依頼のたびに「どこまでやれば?」と聞き返されがちな人
- 説明は丁寧なはずなのに、着手が遅いと感じている人
- 社内外の依頼品質を底上げしたいリーダー・PM・営業
この記事で伝えたいこと
- “テンプレ一行”が、受け手の迷いを最短で潰すという視点
- 依頼は「範囲・基準・期限」を明示すれば勝手に進むこと
- 定型化→貼り付け→差分だけ追記の運用で往復が消えること
1. “テンプレ一行”との出会いで変わったこと
私が導入した依頼テンプレは、たった一行。
【テンプレ一行】依頼:<動詞>:<対象>(<基準>)/期限:<日時>/完了条件:<証跡>
例:
・依頼:承認:A社見積-8%(単価・SLA変更なし)/期限:本日15:00/完了条件:Slack #sales に承認コメント
・依頼:修正:LP1枚(見出しのみ・文字数±10%以内)/期限:明日9:00/完了条件:Figmaリンク更新+バージョン名v1.2
・依頼:送付:契約書PDF(捺印済・2部)/期限:金曜12:00/完了条件:相手返信に「受領済」確認
ルールは三つだけ。①動詞で始める、②基準を括弧で一言、③完了の証跡を必ず書く。
これで「どこまで?」が消えた。平均の聞き返し回数は2.1回→0.3回、納期遅延は体感で半減。依頼は長さではなく、定義で決まる。
2. 比べないことが教えてくれたもの
名文の依頼より、同じ型の依頼が強い。私が現場で徹底したポイントは次の三つ。
①語彙の固定:依頼動詞を10語に限定(承認/修正/送付/確認/共有/回答/予約/作成/提出/支払)。
②基準の辞書化:「基準」(例:見出しのみ・誤差±10%)をチーム辞書に蓄積し、括弧内は辞書語だけで書く。
③証跡の標準化:完了条件は「どこに何が残るか」(Slackコメント、Figma版名、Driveファイル名)で統一。
他社の美しい文章より、自社の辞書が早い。迷いは辞書で消せる。
3. それでも前に進む理由
一行にするのは、怖い。誤解が不安だからだ。だが、私が学んだのは、誤解は長文で増えるという事実。
一行で確定し、必要ならリンクで補足する(仕様/素材/過去議事)。
依頼は“始める合図”。最初の一手が迷わなければ、仕事は勝手に進む。
まとめ
- 依頼はテンプレ一行:動詞:対象(基準)/期限/完了条件
- 辞書化した基準と証跡で、聞き返しゼロ運用を作る
- 本文は短く、補足はリンクへ——迷いを設計で消す
次回予告
vol.84『スケジュールは“逆算3点”——締切が前に寄るチーム設計』
次回は、納期遅延をなくす逆算の型。T-72計画/T-48前倒し宣言/T-24磨き込みで、締切を味方にする実装を共有します。
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