vol.108『“稟議の最短ルート”——席順とメール順で日付が決まる』

シリーズ①:Re:START NOTE|”止まりながら進む日々”

⏱ 読了目安:約3分

承認日は、資料の質より“並べ方”で決まる。

同じ提案でも、席の座らせ方とメールの流し方で日付は1週間変わる。

元社長の頃、内容は勝っているのに承認日が伸び続けた。敗因は説得ではなく導線
席順とメール順を一本化してから、決裁は“いつか”ではなくこの日に決まるようになった。

稟議は説明の勝負ではない。回す順番の設計だ。

会議の席順→稟議の回付順→フォローメールの送信順を一本化し、承認日を前倒しするシーン

こんな人に読んでほしい

  • 「内容はOK」なのに承認日だけが伸びてしまう営業・企画担当
  • 稟議の回付で止まりやすい部署がいつも同じで悩んでいる人
  • 小規模事業で、意思決定の“日付”をコントロールしたい経営者

この記事で伝えたいこと

  • 席順→回付順→メール順を一致させると“迷子”が消え、日付が前倒しになる
  • 決裁者視点で「押す導線」を可視化する3点セット(席・紙・メール)
  • 明日から使える最短ルート設計テンプレ

1. 席順・回付・メールを揃えたら何が変わったか

以前の僕は、会議では決まるのに回付で迷子になっていた。
そこで、会議での座席の左→右を、稟議の回付順と、会議後のメールCC順に完全一致。
決裁者の視線三角(あなた⇄決裁者⇄推進役)を作り、配布は要点1枚→根拠1枚→承認欄
会議後30分以内に「決める5行メール」を同じ順で送る。これだけで、承認日はその週のうちに収まるようになった。

[席順] あなた→推進役→係長→部長(決裁者)で時計回り
[回付] 要点1枚の承認欄:推進役→係長→部長→総務の順で押印
[メール] To:推進役 / Cc:係長→部長→総務(並びは回付順と一致)

2. 比べない導線——“3点セット”を固定する

他社のガバナンスは真似しない。小規模現場は薄く速く確実に。次の3点だけ固定する。

① 席:決裁者の正面に要点1枚。推進役はあなたの斜め前(合図役)。
② 紙:要点1枚(結論1行/条件5行/価値3行/次の一手)+承認欄つき。
③ メール:件名「【決める5行】Aプラン 本日17:00まで○/×だけ」。
   本文5行+PDF要点1枚添付。To/Ccは回付順と同じ並び。

ルール:
・回付は“実務が近い人→決裁者”の順に。
・メールは昼(12:00–13:00)か16:00–16:30に送る。
・未返信は+90分で再送(件名先頭に【再】、本文は同一)。
・最終承認後は撮影→共有までをその場で完了(証跡は画像で十分)。

3. 明日から使える“承認日が決まる”チェックリスト

T-24h:議題・席順・回付順・メール宛先の一致を作図して共有。
T-3h:要点1枚・根拠1枚・承認欄の3点を印刷(ホチキス1回)。
T-10m:席に資料を裏向きで配置。タイマーと太ペンを中央に。
本番:結論15秒→条件→価値→次の一手→承認欄へ案内→写真→共有。
+30m:同順で“5行メール”送信。
+90m:未返信に【再】送。件名末尾に「本日17:00」を残す。

まとめ

  • 席順=回付順=メール順を一致させると稟議の“迷子”が消える
  • 要点1枚→承認欄→5行メールの3点セットで押しやすさを設計
  • 時間指定と再送ルールで“承認日”を前倒しに固定する

次回予告

vol.109『“逆算カレンダー”——承認日から会議を組む』

次回は、欲しい承認日から逆算して席順・回付・メールを前工程に落とす実務カレンダーを公開します。

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