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日付は当てるものではない。承認日から“逆算して作る”ものだ。
「来週中には…」が一番遅い。
元社長の頃、僕はずっと“空いた日”に会議を入れていた。結果、承認はずるずる後ろへ。
発想を変えた。まず承認日を決め、そこから逆算して会議・メール・配布を配置する。
すると、不思議なくらい決裁がその日に起きる。日付は計画で決まる。逆算カレンダーは、説得の道具ではない。人の移動と印鑑の移動を時間に落とす図面だ。

こんな人に読んでほしい
- 会議は盛り上がるのに、承認日がいつも遅れる人
- 回付で迷子になる部署が固定化している現場責任者
- 小規模組織で、決裁の“日付”を前倒しでコントロールしたい経営者
この記事で伝えたいこと
- 承認日→逆算の「T軸」設計で遅延を潰すという視点
- 席順・回付順・メール順をカレンダー上で一致させる方法
- 明日から使える“逆算カレンダー”テンプレ(テキスト版)
1. “逆算”との出会いで変わったこと
以前の僕は、「空いている日」に打合せを置いた。結果、承認は後ろへ滑る。
逆に、承認日(たとえば金曜17:00)を先に決め、必要工程をT-表記で逆算したら、全員の行動が前へ揃った。
コツは、工程を「合意づくり」ではなく“押す導線”として並べること。資料は要点1枚が基準だ。
2. 逆算カレンダー(テキスト版テンプレ)
以下をそのままGoogleカレンダー/手帳に写経すれば、承認日が“決まる”。
【ゴール】承認日:金曜 17:00(決裁者押印/電子承認完了)
T-24h(木 17:00):
・会議資料確定:要点1枚+根拠1枚+承認欄
・座席図&回付順&メール宛先を1枚に統合(順序は完全一致)
・会議案内メール(件名:<明日承認> 15分ショートMTG)送信
T-6h(金 11:00):
・“決める5行メール”下書きを作成(To/Ccは回付順と同じ)
・係長コメント欄(懸念→対応×3)を空欄で準備(係長に書いてもらう)
T-1h(金 16:00)会議15分:
・席順=回付順=メール順(時計回り)
・結論15秒→条件5行→価値3行→次の一手→承認欄へ案内
・承認欄に押印/署名、写真撮影→共有フォルダへ
T-30m(金 16:30):
・“決める5行メール”送信(PDF要点1枚を添付)
・件名:「【決める5行】Aプラン 本日17:00まで○/×だけ」
・未返信は+90分で【再】送。期限は件名末尾に残す
T-0(金 17:00):
・承認確認→キックオフ日程をその場でカレンダー招待
・トレース:写真/承認番号/決裁者名をスプレッドシートへルール:
・工程は「会議→押印→メール」の順に収束させる。
・To/Ccの並び=回付順。誰からも“自分は関係ある?”と聞かせない。
・期限は日付と時刻で明記。相手の判断は○/×/日程の三択。
3. それでも前に進む理由
組織は「空き時間」を埋めても動かない。
先に日付を置き、そこへ人と紙とメールを逆算で配線する。
逆算カレンダーは、みんなの迷いを消し、承認という一点に力を集める仕組みだ。
まとめ
- 承認日を先に置き、T-表記で会議・回付・メールを逆算配置する
- 席順=回付順=メール順を一致、要点1枚を基準に“押す導線”を設計
- 期限は日付+時刻、返信は○/×/日程の三択で迷いを消す
次回予告
vol.110『“15分キックオフ”——初週の転び方を設計する』
次回は、承認直後に走らせる15分キックオフの型。初週の転び方まで先に決めて、実行速度を一段上げます。
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