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形容詞は熱、名詞は骨。意思決定は“骨”で動く。
「早めに・柔軟に・しっかり」——この三つで受注したことは一度もない。
元社長として現場に立って学んだのは、会議室を出た瞬間に残るのは名詞だけだという事実。
形容詞は瞬間の熱として空に溶ける。名詞は次のアクションに変わる。だから僕は、現場×感情×学びの三軸で“名詞三つメモ”に統一した。これで会話の余白は守られ、決裁の速度が上がる。

こんな人に読んでほしい
- 打合せ後、要点がぼやけて提案書が遅れる営業・企画担当
- 議事録が長いのに、次の一手が決まらないチームリーダー
- 会話の熱量に呑まれて、現場の手と心が重くなる経営者
この記事で伝えたいこと
- 会話の中心を「名詞三つ」に絞る視点(形容詞は補助)
- 現場×感情×学びの三軸を、名詞でつなぐ書き方
- 明日から使える“三語メモ”テンプレと運用ルール
1. “名詞三つ”との出会いで変わったこと
昔の僕のメモは形容詞だらけ——「早急」「柔軟」「丁寧」。しかし社内へ渡すと解釈が割れ、動きが遅れた。
そこで、会話の最中に名詞だけを拾う練習に切り替えた。例:
・「早めに対応して」→ 「期限」(金曜17時)
・「もう少し柔軟に」→ 「例外条件」(月間30件まで)
・「しっかり連携」→ 「窓口部署」(経理・物流)
結果、提案はA4片面で足りるようになり、承認日が前倒しになった。
2. 比べないメモ術——三軸×三語テンプレ
他人の名コピーは真似しない。自分の耳で拾い、自分の手で骨を残す。使うのはこの一枚だけ。
【現場】(名詞1)____ 例:在庫
【感情】(名詞2)____ 例:不安要因
【学び】(名詞3)____ 例:承認者
――――――――――――――――――
要約1行:在庫 × 不安要因 × 承認者
次の一手:誰が/何を/いつ(名詞+期限で)ルール:
・形容詞はカッコへ退避(例:「素早く」→(期限)に変換)。
・三語は名詞のみ。動詞や形容詞が出たら即、名詞へ言い換え。
・会話中に埋めるのは穴3つだけ。残りは後で肉付け。
3. それでも前に進む理由
焦りが強い日は、言葉が増える。言葉が増えると、相手の記憶から“骨”が抜ける。
だから、名詞三つに縛る。
打合せ後は15秒で転記——「顧客名_日付_三語.png」をフォルダに保存。
翌朝の付箋は、その三語から一歩を決める。学びは静かに積み上がる。
まとめ
- 形容詞は熱、名詞は骨。意思決定は名詞で動く
- 現場×感情×学びを「名詞三つ」で束ねる
- 15秒の転記と命名規則で、学びを資産化する
次回予告
vol.115『“顧客の机上1枚”——相手の社内で勝つ提案』
次回は、三語メモをA4片面に翻訳し、“奥の上司”の机上で決まる一枚を作る。
伝えない勇気と、残す骨——受注率を押し上げる編集の実務を書きます。
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