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提案は話さない。机上に“残る骨”だけ置く。
通る提案は、会議室ではなく「奥の上司」の机上で決まる。
元社長の僕が最後にたどり着いたのは、A4片面の“骨”。説明は現場で熱く語らない。
三語メモ(名詞×3)をA4に翻訳し、社内稟議の道を勝たせる。これが受注率を押し上げた実務だ。焦りはある。だからこそ、現場×感情×学びの三軸で“伝えない勇気”を編集にのせる。

こんな人に読んでほしい
- 提案書が長いのに、社内決裁で止まる営業・PM
- 担当者とは合意したのに、上でひっくり返る経験が多いリーダー
- 説明量を減らし、意思決定速度を上げたい経営者
この記事で伝えたいこと
- 三語メモ(名詞×3)→ A4片面へ翻訳する編集手順
- 「奥の上司」が見る3点(前提・数字・リスク)の置き場所
- 相手の社内で勝つための“削る基準”と配置テンプレ
1. “机上1枚”との出会いで変わったこと
以前の僕は「丁寧=厚い提案書」だと思っていた。だが決裁者は多忙で、読むのは1ページ5秒。
そこで、前回の三語メモ(例:在庫/期限/承認者)を骨にしてA4片面へ。
以降は担当者が上席に持ち上げても、説明なしで通る場面が増えた。理由は簡単。
「何を・いくらで・いつ・どうリスクを抑えるか」が、一瞬で掴めるからだ。
2. 比べない編集——A4片面テンプレ(そのまま使える)
説明を削る勇気が決裁速度になる。以下、僕が使った配置。
【左上:結論1行(太字)】例:在庫50→90へ増強。費用180万、回収3ヶ月。
【右上:数字ボックス】単価/総額/回収期間/開始日/終了日(名詞+数値)
【中央:骨(三語)】在庫|期限|承認者(各3行以内で具体化)
【中央右:リスク→対策】3つだけ(在庫過多/導入遅延/社内負担)
【下段左:比較表】現状vs提案(指標は3つ:コスト・時間・エラー率)
【下段右:次の一手】担当・期日・初回チェック日(サイン欄つき)ルール:
・形容詞は禁止。名詞と数値で埋める。
・図は1個まで(比較表のみ)。
・文字数はA4で500〜700字。余白は意思決定スペース。
・最後にサイン欄(担当/係長/課長)を置き、即日合意を誘う。
3. それでも前に進む理由
厚い提案は、作る側の安心であり、相手の負担だ。
焦りを編集に縛り、骨だけを机上に置く。
打合せ後15秒の復習で、三語メモ→A4に翻訳。命名は「顧客名_日付_机上一枚.pdf」。
翌朝、相手の社内で一人歩きするのは、あなたの言葉ではなく、この一枚だ。
まとめ
- 三語メモ(名詞×3)をA4片面へ翻訳し、決裁が“読まずに分かる”状態を作る
- 結論・数字・リスクの3点を固定、図は比較表1つまで
- 余白とサイン欄で、机上での即日合意を設計する
次回予告
vol.116『“決裁の現場写真”——押印は画像1枚で早くなる』
次回は、机上一枚を“動かす”最短手。決裁者が見たいのは文章ではなく風景——
現場写真1枚でリスクと導線を可視化し、押印を前倒しする実務を解剖します。
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