vol.117『“社内実況メール”——30分で役員まで回す』

シリーズ①:Re:START NOTE|”止まりながら進む日々”

⏱ 読了目安:約3分

会議は開かない。動かすのは、5行の“実況”。

「今どこまで?」を、誰もが同時に理解できる5行がある。

元社長として学んだのは、稟議は“結論が走っている”状態をつくれば前倒しできるということ。
現場×感情×学びの三軸を、メール1通の中で実況する。

写真1枚(前回)+A4片面(前々回)に、実況の5行を足すだけで、決裁ラインは30分で回る。

“写真1枚+A4片面+実況5行”で決裁ラインを一気通過

こんな人に読んでほしい

  • メールが長文化して、誰も最後まで読んでくれないと感じている人
  • 稟議が「確認待ち」で止まり続けている現場責任者・営業
  • 会議よりも“今すぐ決める”運び方を身につけたい管理職

この記事で伝えたいこと

  • 役員まで届く「実況5行」の型(件名/本文/CC設計)
  • 30分で回すための時間設計(送信タイミングと順序)
  • 現場写真・A4片面との連携で押印を前倒しする実務

1. “実況5行”との出会いで変わったこと

昔の僕は、丁寧さ=情報量だと思っていた。結果、要点が埋もれて遅れる。
あるとき、件名で結論を言い切り、本文は5行に制限した。写真1枚とA4片面を添付。
すると役員からの返信は「了解。リスク対策は②でいこう」。——質問が決裁に変わった
人は“読む”より“決める”。決めるために必要な最小単位が、実況の5行だった。

件名の例:【決裁依頼/本日中】入口導線10cm後退で干渉ゼロ(写真1枚・A4添付)

本文の実況5行(コピペOK):

1)現状:昼ピークで通路80cm、台車干渉発生(写真①)
2)提案:設置位置を壁側へ10cm後退、配線は上引き(A4 1枚)
3)効果:干渉ゼロ想定/稼働率+12% 試験 11/10
4)確認:安全対策②(ケーブルガード)で進めてよいか
5)期限:本日 16:00 までにご返信なければ②で実行・結果を18:00共有

2. 比べないことが教えてくれたもの

大企業の“長い報告”を真似しない。うちの現場が今決めたい一手に合わせる。ポイントは3つ。

① CC設計:係長→課長→部長→役員の順で「見たい人」だけ。Toは責任者1名。
② 添付は2点:写真1枚+A4片面。PowerPointは添付しない(開かれない)。
③ タイミング:昼前11:30/終業前16:30。人が「決めやすい」2つの窓。

比べるほど飾りが増える。名詞と数値と期限だけが、社内の通路を速くする。

3. それでも前に進む理由

実況メールは、現場の鼓動をそのまま経営へ届ける。
5行で「いま」「何を」「いつまでに」を揃えるだけで、握りが早く、後戻りが減る
社内は情報の渋滞で遅れる。だからこそ、実況という“優先レーン”を自分で敷く。

まとめ

  • 件名で結論を言い切る:【決裁依頼/期限】結論(根拠は添付)
  • 本文は実況5行:現状/提案/効果/確認/期限——名詞と数値で固定
  • CCは最短ルート設計:写真1枚+A4片面の2点で“読む前に決められる”

次回予告

vol.118『“決裁ログの見取り図”——押印までの足跡を一枚に』

次回は、誰が・いつ・何で止まったかを一目にする“決裁ログ”の作り方。
3色の矢印と日付だけで、止まるポイントを先回りします。

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