vol.120『“承認の前日”——押印直前の一手チェックリスト』

シリーズ①:Re:START NOTE|”止まりながら進む日々”

⏱ 読了目安:約3分

前日にしか打てない一手が、当日の迷いを消す。

「通る理由」を増やすのではなく、「止まる理由」を0にする。

元社長として何度も痛感したのは、押印が止まるのは優れた提案が足りないからではない、
“前日”に消せたはずの小さな不確定が残っているからだということ。

三色レビュー(vol.119)と見取り図(vol.118)を束ね、5分で潰す前日チェックを型にする。

承認前日の“止めやすい理由”を先に潰すチェックの全体像

こんな人に読んでほしい

  • 当日になって稟議が「差戻し」になることが多い担当者
  • 役員の質問が毎回同じ“基本論点”に戻ってしまう現場リーダー
  • 最短で押印まで運びたいが、会議を増やしたくないマネージャー

この記事で伝えたいこと

  • 承認前日に“止まる理由”を0にする5分チェックリスト
  • 見取り図×三色レビュー×実況メールの前日連結手順
  • 名詞三語(vol.114)で当日の回答速度を上げる小技

1. 前日チェックリスト:5分で“止まる理由”を0に

前日は増やさない。確認だけをする。僕の現場は次の5項目をタイマー5分で回す。

  1. 日付整合:見取り図の最終更新時刻が本日19:00以降か。赤は残っていないか。
  2. 責任の所在:各タスクの末尾に 名詞+日付+名前(例:見積 11/20 鈴木)があるか。
  3. 費用の一行:A4片面提案(vol.100/115)の右下に「費用・回収見込み・撤退条件」の三語があるか。
  4. 現場写真:決裁の現場写真(vol.116)が1枚で“導線とリスク”を示せているか。
  5. 実況メール:当日朝8:55送信予約で、役員までのルート(係長→課長→決裁者)が設定されているか。

迷ったら付け足さない。不足は名詞三語で補い、説明は当日の声で足す。

2. 前日連結:見取り図→色替え→実況の“一筆書き”

手順は一筆書きが速い。

  1. 見取り図更新:三語で差分を追記(例:「契約 11/21 田中」)。
  2. 三色ルール適用:相手待ちは黄→赤に、解消は黄→青に。自動ルールは vol.119 の基準に準拠。
  3. 実況メール5行:
    1) 今日の目的/2) 赤の解消策/3) 役員に欲しい一言/4) 現場写真URL/5) A4片面の場所
  4. 送信予約:決裁ラインの朝の隙間(8:55/12:55/16:55)を選び、件名は「【前日確定】案件名_11/21 押印」。

ここまでで5分。前日夜に“通る段取り”は完成する。

3. それでも前に進む理由

前日にやることは、勇気ではなく整合だ。
日付・名詞・責任が揃えば、当日の質問は短くなる。
僕らが戦う相手は「反対意見」ではない。“未更新”という静かな敵だ。

まとめ

  • 前日は“足す”のではなく“揃える”——止まる理由を0にする5チェック
  • 見取り図→色替え→実況メールを一筆書きで5分完了
  • 名詞三語×現場写真×A4片面で、当日の回答速度を最大化

次回予告

vol.121『“会議の最短導線”——10分アジェンダで決裁を迎えに行く』

次回は、当日の10分アジェンダ。席順・順番・一言の順で、押印を“迎えに行く”会議運びの型を公開します。

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