vol.121『“会議の最短導線”——10分アジェンダで決裁を迎えに行く』

シリーズ①:Re:START NOTE|”止まりながら進む日々”

⏱ 読了目安:約3分

段取りが勝ち筋を決め、席順が秒数を短くする。

当日、勝敗は議論ではなく“導線”で決まる。

元社長の肌感で言えば、良い企画ほど会議で説明しない。説明が要らないように、席順と順番と一言を並べ替えておく。

前回予告どおり、席順→順番→一言の順で、押印を“迎えに行く”10分アジェンダの型を公開する。

席順・順番・一言の“最短導線”マップ(10分アジェンダ)

こんな人に読んでほしい

  • 会議が長くなるのに結論が出ず、差戻しが多い担当者
  • 資料は揃っているのに上位決裁が遠いと感じる現場リーダー
  • 「良い案ほど短く通す」会議運営の型を身につけたいマネージャー

この記事で伝えたいこと

  • 10分で決裁に到達する“会議の最短導線”の組み方
  • 席順・発話順・キラーフレーズを連動させる実務
  • 前日チェック(vol.120)と実況メール(vol.117)との接続

1. 席順の設計:誰の目線から資料が入るかで結論が変わる

僕の定番は、決裁者の斜め対面=“最短視野”の席を取り、左隣にスポンサー(賛同者)、右隣に反対の可能性が高い人。
配布物は決裁者の手元にA4片面(vol.100/115)を先置き、スクリーンは補助。最初に視界に入るものを“結論の骨”にする。

  • 決裁者:斜め対面。資料は結論→コスト→撤退条件の順で見える面。
  • スポンサー:決裁者の左隣。合図と被せの一言を担当。
  • リスク担当:決裁者の右隣。反対論点を先回り(vol.102)。

2. 順番の設計:10分アジェンダの“秒単位”運用

会議の“最短導線”は秒単位で組む。下が僕のテンプレだ。

  1. 00:00–00:30|開会の一言(司会):目的と決めたいことを宣言。「本日は承認の可否を決める会です」。
  2. 00:30–02:00|結論提示(あなた):A4片面を指差しで要約。「費用・回収・撤退条件は右下です」。
  3. 02:00–03:30|スポンサー被せ:「現場ではすでに小さく成功している。リスクは写真の通り迂回路あり(vol.116)」。
  4. 03:30–06:00|リスク先回り(あなた):否決3行(vol.102)の型で潰す。
    ①想定反対/②対策と根拠/③運用の担保。
  5. 06:00–08:00|確認質問(決裁者):質問は名詞三語で返す(vol.114)。長くなったらA4に戻す。
  6. 08:00–09:00|意思確認(司会→決裁者):「本日、前提は整いました。承認でよろしいでしょうか」。
  7. 09:00–10:00|次アクション確定(あなた):日付・担当・初動を口頭で読み上げ、実況メール(vol.117)へ接続。

ポイントは、議論を“面”でなく“点”に戻すこと。A4片面と現場写真を指でなぞり、会話が資料の骨から外れないようにする。

3. 一言の設計:クロージングは“合意の確認”で十分

クロージングのキラーフレーズは準備しておく。僕は3つしか使わない。

  • 目的固定:「本日の目的は承認の可否です。説明は十分でしょうか?」
  • 条件整理:「右下の費用・回収・撤退条件で合意できれば、承認いただけますか?」
  • 次アクション読上げ:「では11/25着手・鈴木で進めます。実況メールで共有します」。

決裁は押し切らない。“整っている”を見せるだけで、会議は10分で終わる。

まとめ

  • 席順=視界の設計。決裁者の“最短視野”にA4片面を置く
  • 10分アジェンダは秒単位:結論→被せ→先回り→確認→次アクション
  • 一言は三つだけ。目的固定/条件整理/次アクション読上げ

次回予告

vol.122『“議事録は5行”——押印までの合意だけを残す』

次回は、会議後の摩擦を生まない“5行議事録”の作り方。名詞三語と日付で、決裁の足跡だけを残す実務を公開します。

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